WEC世界耐久選手権に参戦するポルシェとトヨタが合同でテストを実施。暫定仕様の2017年型LMP1マシンで走行した。
アウディのシリーズ撤退により、今季WEC総合優勝争いはポルシェとトヨタの一騎打ちとなる。そんな両陣営がスペイン・アラゴンを2日間に渡って走り込んだ。
今年は空力削減を目的として、フロントスプリッターの最低地上高が引き上げられるほか、リヤディフューザーのサイズも縮小。これによりコーナリングスピードが抑えられるため、チームのシミュレーションではサルト・サーキットのラップタイムは昨年比で4秒程度増加するとされている。
ポルシェLMP1プログラムを率いるアンドレアス・ザイドルも30%程度のダウンフォース減を見込んでいたと言うが、テストでは「2016年のラップタイムを大きな差はなかった」という。
「両チームとも失われたダウンフォースを取り戻そうとしている。少なくとも我々が進んでいる方向は正しかったようだ」
合同テスト前、ポルシェは単独で3日間のアラゴンテストを実施し、6名のドライバーが計7200kmを走行。しかし、耐久テスト中に霧がサーキットに立ち込め、メニューを消化できなかったことから、テストを延長したとのこと。
レースエンジニアのチーフを務めるステファン・ミタスは「テストでは開発と耐久テストに重点を置いた」と語る。
「ナイトセッションのテスト中にマイナーテストが発生したため、テスト期間を延長して、トヨタと走ることになった」
なお、ザイドルは今回のテストでトヨタとのラップタイムを比較することは不可能だとコメントし、具体的なラップタイムについては明かさなかった。
「(トヨタと比較して)我々がどういったポジションにつけているかは分からない。お互い、まったく違うプログラムをこなしていたからね」
17年のWECは4月1~2日にモンツァで公式テスト“プロローグ”が行われ、4月16日のシルバーストン6時間耐久レースで開幕する。