年内に開幕が予定されている人工知能(AI)による自動運転レース『ロボレース』で使用されるマシンが正式にお披露目された。
ロボレースはフォーミュラEの併催レースとして予定されている無人運転による新たなレース。16年3月にはマシンのコンセプトモデルが公開されているほか、8月には開発車両『DevBot』による走行テストがスタートしている。
また、2月18日に行われたフォーミュラE第3戦ブエノスアイレスePrixでは、最終的にクラッシュしたものの、2台のDevBotによるデモンストレーションも行われている。
マシンのアンベイルは、スペイン・バルセロナで開催されている世界最大級の携帯電話関連展示会『モバイル・ワールド・コングレス(MWC)』で実施。ロボレースCEOのデニス・スベルドロフ、マシンをデザインしたダニエル・サイモンによってお披露目された。
“ロボカー”と名付けられたマシンは、昨年3月のコンセプトモデルからデザインを継承。最大出力300kWを発生させるモーターを計4基搭載しながら、マシン重量が975kgに抑えられているため、時速200マイル(約320キロ)以上での走行が可能だという。
発表会で、CEOのスベルドロフは「ロボカーの公開は我々にとって、そして自動運転技術界にとっても大きな一歩となる」と語った。
「このプロジェクトに関わるスタッフやパートナー、特に美しいマシンを作り上げたダニエル(・サイモン)の働きを誇りに思う」
「我々が目指す未来にとって、人々の心を揺さぶる自動運転車両を作り上げること、人とロボットがより近しい関係になることは、なによりも重要だった」
「開発車両のDevBotはコース上で着実に進化しているし、発表から1年足らずでロボカーを作り上げたことを誇らしく思っているよ。今後、このマシンと新たな冒険に出ることが待ち遠しい」
また、スベルドロフはロボレースとロボカーが、自動運転技術の発展に寄与すると改めて強調している。
これまでに2008年公開の映画『トロン:レガシー』で車両デザインなどを務めてきたサイモンは「ロボカーの設計には、あらゆる面において技術の限界を押し広げる挑戦があった」と述べた。
「最初に発表したコンセプトを維持しながら、実際に走行できる車両を作り上げたことを特に誇りに思っている。自動車業界ではあまり例のないことだからね」
ロボレースでは、フォーミュラEと同様にミシュランがタイヤサプライヤーを務めるほか、イギリスの新興電動トラックメーカーの『チャージ』がモーターや電装パーツを供給する。
なお、現時点でもロボレースの開幕戦の開催時期は不明のまま。ただし、フォーミュラEの併催レースとしての立ち位置は変わらないほか、2017年後半には2台のロボカーがデモランを行う予定であることも明かされた。