マクラーレンF1チームのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、2017年第1回F1合同テストの初日、ホンダのパワーユニットにトラブルが発生したことは予期せぬ出来事だったと語った。
アロンソとストフェル・バンドーンは26日にフィルミングデーとして新車MCL32のシェイクダウンを行い、その際には新パワーユニットに何の問題も発生せず、規定での最大限の距離100kmを走り切ったという。
しかし翌27日、合同テストの初日にアロンソが走行をスタートすると、インスタレーションラップを1周走った後に、オイルシステムのトラブルが見つかり、数時間にわたって走行を中断するはめになった。
フレッシュエンジンに載せ替え、午後に走行を再開したものの、再びメカニカルトラブルが発生。しかし最終的にアロンソは合計29周を走った。
ブーリエは、フィルミングデーではトラブルが出なかったため、予期せぬ事態だったと述べている。
「オイルシステムの問題が発生した。いま分かっているのはそれだけだ」とブーリエ。
「ホンダはパワーユニットを(ファクトリーに)送り返したいと言う。状況を調査して、何が起きたのかを報告してくれるだろう」
「もちろん残念だ。昨日のフィルミングデーでは100kmを走り、ほぼすべてがうまくいった。だから今日はパワーユニットにこのようなトラブルが出て、少し驚いた」
「今は、ホンダからの報告を待つだけだ」
「彼らはもちろんプロとして対処した。彼らもがっかりしていたが、周囲を興奮状態にすることなく、落ち着いて行動し、さくら(のファクトリー)に電話をして冷静に話をしていた。調査をうまく進め、何をすべきかを決定するため、我々ともミーティングを行った」
「その結果、(アロンソの)パワーユニットを交換することを決めた。問題をすべてクリアにするためだ」
ホンダは今季、大きくパワーユニットを変更、メルセデスと同様のコンセプトを取り入れたといわれている。マクラーレンとホンダのパートナーシップが再開して3年目の今年、パフォーマンスが大きく向上することが、来季以降アロンソとの契約を延長するためのカギになるものと考えられており、この日のようなトラブルは理想的ではないとブーリエは認めた。
「もちろん(アロンソは)その時その時に何が起きているのか、細かく把握している。今朝のことには不満を持っていた」とブーリエ。
「だが、昨日数周走って感触を確かめた後には、どちらかというと彼は満足していたと思う。そう感じていたはずだ」
「今朝は思わぬことが起きたが、これが現実だ」
初日から問題に見舞われたものの、ホンダがF1に復帰した2015年の状況とは全く違い、マクラーレンとの今後の関係に悪い影響が出ることはないとブーリエは言う。
「結婚生活のようなものだ。いいときもあれば悪いときもある」とブーリエは言う。
「ここまでの2年、たくさんのストレスを乗り越えてきた。そのなかで前向きで建設的な関係を築き上げてきたのだ。それがこの先に変わってしまうことはないだろう」