トロロッソF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは、メルセデスの新車と自チームの新車が似通っていることに、落胆している。
トロロッソの2017年型新車発表会は26日にバルセロナで行われ、これは全チームの中で最も遅い開催となった。『STR12』のフロントサスペンション、サイドポット、ノーズレイアウトは、メルセデス『W08』と似た特徴を持っている。ふたつのマシンの共通点について、キーは次のように語った。
「似たことをしているチームがあることをうれしく思う一方で、これを考えついたのが我々だけではなかったことに、落胆もしている。異なるコンセプトのマシンが多く、多様性があることは非常に明らかだ」
さらに、メルセデスとトロロッソのデザインが似ていることは、偶然であると強調した。
「メルセデスのマシンを見て『我々と同じフロントサスペンションだ。メルセデス型のフロントサスペンションだと、多くの人が言うだろう』と感じた。ノーズ、サイドポッドの前方部分、それにサイドポッドのボディーワークまでもが似通っているが、完全なる偶然だ」
チームのドライバーであるカルロス・サインツJr.は、過去3シーズンにわたって優勢を保ってきたメルセデスと、マシンデザインの思想が相似していることを頼もしく思っている。
「毎戦を勝利しているマシンと似ているとなれば、自信も得られるし、気分も良い。メルセデスが過去3年間に見せつけたものがあったとしたら、空力性能の良さだ。トロロッソは自信を持っていいと思う。新しいレギュレーションになって、僕らは基本的な部分をうまく築き上げていけると、確信している」
「(僕らは)チャンピオンにはなれないかもしれない。そこまで望んではいないけれど、トップ10入りできる武器を手にすることを期待していたし、心から願っていた。それに、開発も進んでいくだろう。今季は大きな進化があるので、昨シーズンはエンジンのせいで妥協していた部分も、諦めずにやっていきたいと思っている」
細めのノーズを採用した理由は、2017年の新レギュレーション対策として、より優れていると感じたからだとキーは付け加える。
「チームのメンバーが様々な選択肢を検討した結果、空力的な考えに大きくもとづいて決断した。これまでとは異なる方向性となった。過去2年間は似たような形状だったが、それは他のチームも同じこと。いろいろな選択肢を考え、細いノーズとフロントの狭いパイロン型スペースが、現在我々が正しいと思うマシンの理論に合致すると感じたんだ」