ドキュメンタリー映画『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』が初夏に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
同作は家族のために出稼ぎに出たはずが、騙されて中国の貧しい農村に売り飛ばされた北朝鮮出身の中年女性Bの中国での生活や、韓国への脱北の道中に密着した作品。憎んでいた中国の夫と義父母との生活を受け入れ、生き抜くために脱北ブローカーとなった彼女が、北朝鮮に残してきた息子たちの将来を案じ、彼らを脱北させて自らも韓国へ渡ろうと画策する様を映し出す。
メガホンを取ったのは、韓国とフランスを拠点に活動する釜山出身のユン・ジェホ。同作は昨年の『カンヌ国際映画祭』ACID部門に正式出品されたほか、『モスクワ国際映画祭』『チューリッヒ国際映画祭』で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞している。英題は『MRS. B, A NORTH KOREAN WOMAN』。