BTCCイギリス・ツーリングカー選手権にBMW125i Mスポーツで参戦するウェスト・サリー・レーシング(WSR)に対し、BMWが3年間のマニュファクチャラー・サポートを行うと発表。事実上、21年ぶりとなるワークス復帰を果たすこととなった。
昨年もBTCCでタイトル争いを演じ、今季も3台体制でエントリーする名門WSRへ、BMWは財務面と技術面の双方からサポートを行う。
今季のWSRには、昨年までフォード・フォーカスSTをドライブしていた2013年王者のアンドリュー・ジョーダンが移籍し、先日には14年王者コリン・ターキントンの加入も発表。そして今回、ロブ・コラードの残留もアナウンスされた。
これにより、ターキントンとコラードはBMWバナーの入れられた、おなじみのワークスカラーをまとったマシンで戦うこととなった。
BMWは1996年までマニュファクチャラーとしてBTCCに参戦しており、当時はチーム・シュニッツァーとしてエントリー。93年にはドイツ人のジョー・ウィンケルホックがE36型BMW320siでドライバーズタイトルを獲得している。
BMW UKでマネージングディレクターを務めるグレアム・グリーブは、今回のシリーズ復帰に際して「21年の時を経て、再びワークスチームとして立ち上がることをうれしく思う」とコメントした。
「BTCCは英国で最も重要なレース・シリーズであり、とてつもなく熱狂的な支持を得ている。そのシリーズの中で歴史的な記録を数多く残してきたメーカーとして、また10年にわたるWSRとの協力関係をさらに発展させることができるのは本当に光栄だ」とグリーブ。
現在、2リッター4気筒ターボと共通サブフレームを主軸としたNGTC規定を採用するBTCCでは、シャシーを筆頭にエンジンに関しても、チーム主導でビルダーと共同開発するのが主流となっている。
これまでWSRがBMWからの支援を受けつつ、プライベーターとして開発してきたBMW125i Mスポーツは、BMW製の2リッター4気筒の自然吸気エンジンをベースに、ターボチャージャーを追加したエンジンを搭載していたが、今季からはBMWがニール・ブラウン・エンジニアリングと共同開発した最新の直噴4気筒ターボ、B48型ベースのワークスエンジンが3台ともに搭載される。
これらの技術開発支援と開発資金も、BMW UKからの投資に含まれており、これによってWSRはプライベーターエントリーからマニュファクチャラー・チームに昇格。コンストラクター選手権でもホンダ、MG、ボクスホール、そしてスバルらとタイトルを争うこととなる。
WSRのチーム代表であるディック・ベネットは「モータースポーツのパートナーとして10年にもわたる成功を収めてきたことは、長い結婚生活の喜びにも等しい」と語った。
「この提携はBMWのプロダクトに対して敬意とコミットメントを表するもので、今再びマニュファクチャラーとして、BTCCでの戦いに挑めることを喜ばしく思うよ」