トップへ

故モハメド・アリの息子、米空港で足止め食らう 「イスラム教徒か」執拗に質問も

2017年02月26日 13:13  Techinsight Japan

Techinsight Japan

昨年この世を去ったモハメド・アリ(出典:https://www.instagram.com/muhammadali)
2016年に死去したアメリカの元プロボクサーのモハメド・アリ(享年74)は、かつてイスラム運動組織の大会に何度も参加した。後に彼はムスリム名に変更し、本名をカシアス・クレイからモハメド・アリに改めたことでも知られる。そんな彼の息子が、このほど米空港にて非常に不愉快な思いをしたという。その日、いったい何が起きたのか。

このほど故モハメド・アリの息子モハメド・アリ・ジュニア氏(Muhammad Ali Jr.)が、米フロリダの空港にて入国審査官に一時拘束される出来事があった。この時、同氏は母(父の元妻)と一緒だったが、同氏のイスラム系の名前に対して審査官は「宗教は?」「どうしてこのような名をつけられたのか」と執拗に質問を続けたという。

ちなみにこの母子はジャマイカを訪問しており、母はそこで黒人の歴史について話すミッションがあったもよう。その後アメリカに帰国した際にこの出来事が起きたという。しかし審査官は2時間近くも「どこでこの名を得た?」「イスラム教徒なのか?」と質問。また弁護士によると、審査官らはアリ氏がイスラム教徒だと答えた後も質問を続けたそうだ。

しかしアリ氏は、フィラデルフィア生まれのアメリカ人。当然アメリカのパスポートも持っており犯罪歴もないため、同氏の弁護士も以下のように述べ、不快感を露わにしている。

「これはまさに侵害行為です。ドナルド・トランプはこのようなやり方を“宗教に基づくものではない”と言っていますが、あの主張は一体どうなっているのか…。」

この件につき、アメリカ合衆国税関・国境警備局側は「個々の旅人について話すことはできない」「ただアメリカに到着する全ての外国人については綿密に調査している」とコメントしている。確かに「テロの脅威を考えれば致し方ない」という声も少なからず聞こえてくるが、アメリカで生まれ育ったアメリカ人にとって、このような対応はあまりにも屈辱的だ。米国内から新たな憎悪が生まれぬことを、多くの人々が心から願い祈っている。

出典:https://www.instagram.com/muhammadali
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)