マクラーレンF1チームは、2017年シーズンもタイトルスポンサー不在の状態が続いている。それでも今季はより多くの予算があることを、チームのエグゼクティブディレクターであるザック・ブラウンが、『MCL32』の発表会で明らかにした。
24日に行われた発表会では、全体にオレンジ色が使われた新車が披露され、多くの注目を集めた。一方でオイルパートナーだったエクソンモービルがBP/カストロールに取って代わられた以外のスポンサー変更は、ほとんど見られなかった。
しかしロン・デニス解任の後、昨年12月にマクラーレンに加わったブラウンは、支配株主のバーレーン・ムムタラカット社およびマンスール・オジェから得たさらなる出資により、チームはパフォーマンス向上に必要なすべてを手にしていると強調した。
「シェイク・モハメドとマンスール・オジェが、色々な分野で予算を増やしてくれたので、必要なものはすべて揃えることができた。これをうまく使って仕事をし、状況がまとまるのを少し待つだけでいい」
ブラウンはマクラーレンに加入する以前から成功を収めており、スポンサー獲得という分野において注目の人物であった。チームのタイトルスポンサー獲得も、引き続き慎重に進めていくという。2018年には新しい商業パートナーを発表することを目標に掲げ、以下のように述べた。
「スポンサーの獲得にはだいたい1年かかる。2017年に奇跡が起こることはない。大きな意志決定をする場合、多くの企業は10月や11月、遅くとも12月までには行うものだ。我々は昨年の12月に動き出したばかりなので、大きな進展が起きるはずもなかった」
「より良い反応を取り戻すために、私は商業部門の再編成に集中していて、これは達成しつつあると考えている。我々の発表会は最も期待されていたと思う。現在のパートナーをすべて訪問したところ、彼らはとても満足していた」
「2018年にはタイトルスポンサーを発表する必要がある。スポンサー獲得には1年かかるので、すでにプレッシャーを感じている。しかし、過去3年にわたってチャンピオンを獲得したチームも含めて、新しいタイトルスポンサー発表を行ったマシンは見かけていない」
「これは我々がF1において直面している、逆境の表れだと思う。リバティ・メディアの登場で、このスポーツの方向性について素晴らしい道筋がつけられた。マクラーレンについても同様だし、F1もだ。明るい未来が開けている」
マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエもチームのリソースについてはブラウンの見方に同意し、次のように話した。
「正直なところ我々には何の問題もない。肝心なのはマシンのステッカーの数ではなく、それぞれのステッカーから得られる金額だ。予算の使い方も重要だ。より多くの予算があれば、もっと競争力を高められることは、誰もがよく知っている」
「多くの予算を賢く使えば使うほど、競争力はさらに高くなる。我々にはメルセデスやレッドブルほどではないが、手頃な予算と良い仕事をするのに十分なリソースがある。効率良く、賢くとでも言おうか。我々の組織はそのように動き、トップに立とうとしているのだ」