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気鋭のクリエイターは音楽の未来どう変える? 真鍋大度、MIKIKOら登壇イベントへの期待

2017年02月25日 17:03  リアルサウンド

リアルサウンド

『TOKYO MUSIC ODYSSEY 2017 SHIBUYA POP UP STUDIO』

 スペースシャワーTV主催の音楽とカルチャーの祭典『TOKYO MUSIC ODYSSEY』の一環として、3月4日から6日まで渋谷スペイン坂のGALLERY X BY PARCOにて『SHIBUYA POP UP STUDIO』が開催される。“音楽と都市の未来”をテーマに掲げた同イベントでは、ミュージシャンやクリエイターによるトークセッションや、ランニングイベント『~渋谷を走ろう!TMOラン!~』、ワークショップ『おとなもこども楽しめる!未来の演奏体験 by KAGURA』、キッズイベント『スペシャキッズミーティング~音と木のおもちゃで遊ぼう~』が行われる。


(関連記事:渋谷の街で音楽とカルチャーはどう育まれる? 『TOKYO MUSIC ODYSSEY 』プロデューサーインタビュー


 音楽を軸にしながらも、それを取り囲むカルチャーに焦点を当てた『SHIBUYA POP UP STUDIO』は、コアな音楽ファンだけではなく、大人から子供まで誰もが楽しめる内容になっている。中でも特に注目したいのはトークセッションだ。登壇するのは、メディアアーティスト真鍋大度、演出振付家MIKIKO、Zeebra、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、映像作家dutch_tokyo(山田健人/yahyel)の5名。ここでは、各人の活躍やシーンでの立ち位置について振り返ってみたい。


 まず、“チームPerfume”としても活躍する真鍋大度とMIKIKOは、3月4日開催の『クリエイティブ × 2020 ~世界を魅了する、メイドインジャパンのクリエイション~』に登壇。Rhizomatiks Research主宰の真鍋大度は、新しいテクノロジー表現を開拓してきた立役者。彼が演出を手がけるPerfumeのライブは、日本はもちろん世界でも高く評価されており、2015年に出演した『SXSW』は大きな話題を集めた。またサカナクションやビョークともコラボしており、ドローンや3DCG、プロジェクションマッピング、AR(拡張現実)などを駆使した美しく革新的な演出は、まさに“視覚でも楽しめる音楽”を体現したもの。これからのライブやエンターテインメントを未来を担う存在である。


 一方MIKIKOは、PerfumeやBABYMETAL、星野源の振り付けを担当。自身もダンスカンパニーELEVENPLAYを率いて作品を発表し、国際的な芸術祭に出演するなど国内外をダンスで魅了している。MIKIKOの振り付けは決して簡単ではないが、歌詞を視覚化する効果があり、たとえ言葉の通じない海外でのライブにおいても、音楽を通してコミュニケーションをとることができる。ふたりは2016年夏の『リオオリンピック閉会式』の閉会式『フラッグハンドオーバーセレモニー』にも携わっており、日本が世界に誇るクリエイターであることは間違いない。トークセッションでは、おそらく2020年の東京オリンピックにも話が及ぶだろう。長きにわたりタッグを組んできた真鍋大度とMIKIKOのトークからは、テクノロジーと身体表現のコラボレーションが招く新しい未来の話を聞けることを期待したい。


 また同じく3月4日開催の『音楽 × 東京 ~クロスオーバーするTOKYOカルチャー~』には、Zeebraとオカモトレイジが登場。ZeebraはTV番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)オーガナイズとメインMC、また「クラブとクラブカルチャーを守る会」を立ち上げ、「渋谷区観光大使ナイトアンバサダー」の会長を務める。2016年秋、渋谷の各地にサイファーが現れ、通行人を巻き込んだパフォーマンスが話題になったが、その渦中にいたひとりがZeebraだ。日本語ラップだけではなく、クラブカルチャーやナイトカルチャー、そして東京の街での遊び方を、若者を中心に世間に広く伝えてきた。


 また、オカモトレイジは東京・世田谷出身で、ファッション雑誌『GINZA』『Ollie』に登場、映画好きとしても知られており、幅広いカルチャーに興味を持って貪欲に行動しているアーティストだ。東京に生まれ育ち、中学の同級生でバンドを結成。その後10代のうちにOKAMOTO’Sとして『SXSW』に出演し、海外でのツアー経験も豊富な彼は、東京の街とそこから派生するカルチャーをどう見るのだろうか。ヒップホップアーティストとロックバンドというスタイルの違いはあれど、Zeebraもオカモトレイジも、東京と関わりの深いアーティストである。それぞれの立場から、街の空気や、そこに集まる人々の熱をどう感じているのか、興味深い話が聞けそうだ。


 そして3月5日開催の『気鋭の映像クリエイターが映し出す、都市と音楽の未来』に登壇するのが、yahyelのVJ・dutch_tokyoこと山田健人。彼はyahyelでの活動にとどまらず、宇多田ヒカル「忘却 featuring KOHH」や米津玄師「orion」、Suchmos「STAY TUNE」のMVなども手がけている。彼の作品は、映像効果でダークな世界観を生み出し、観る者の想像力を刺激する。ここ数年、MVや映像作品をきっかけに楽曲がヒットすることが続いたが、その中でも山田健人は、常に刺激的かつ、楽曲の奥底にあるテーマを掬い取って映像を生み出してきた存在だ。彼のイマジネーションはどこから湧き上がってくるのだろうか。これまでなかなか表に出てこなかったからこそ、貴重な話を聞くことのできるトークショーになるだろう。


 ミュージシャンはもちろん、その活動を支えるクリエイターのスキルやクリエイティビティと共に、今盛り上がりを見せている音楽カルチャー。トークセッションには、まさにその渦中にいる旬なクリエイターが集った。そして『SHIBUYA POP UP STUDIO』全体では、前述のようにランニングイベントやワークショップ、キッズイベントも開催され、誰もが気軽に音楽と戯れることができる。音楽が人々の生活や街の中でどう鳴り、そしてここからいかに育っていくのか。その現在地と未来を探るきっかけを与えてくれるイベントになりそうだ。


(文=村上夏菜)


■イベント情報
『TOKYO MUSIC ODYSSEY 2017 SHIBUYA POP UP STUDIO』
期間: 2017年3月4日(土)~3月6日(月)
会場: TOKYO MUSIC ODYSSEY SHIBUYA POP UP STUDIO(GALLERY X BY PARCO)
〒150-0042東京都渋谷区宇田川町13-17
チケット: 無料招待制(抽選)
応募方法:Peatixにて受付
※抽選応募期間 ~2月24日(金)


<TALK SESSION>
2017年3月4日(土)
・15:00~「クリエイティブ×2020~世界を魅了する、メイドインジャパンのクリエイション~」
真鍋 大度 × MIKIKO
・18:00~「音楽×東京 ~クロスオーバーするTOKYOカルチャー~」
Zeebra × オカモトレイジ(OKAMOTO‘S)


<CREATOR’S TALK>
2017年3月5日(日)
・16:00~「気鋭の映像クリエイターが映し出す、都市と音楽の未来」
山田健人


<RUNNNG EVENT+MINI TALK>
2017年3月4日(土)
・11:00~トークイベント「音楽×ラン ~私のプレイリスト『THE10KM』~」
金井政人(BIGMAMA)× 藤咲彩音(でんぱ組.inc)
・12:00~ランニングイベント「渋谷を走ろう!TMOラン!」
金井政人(BIGMAMA)× 三原勇希 SPACE SHOWER TV VJ & model
共催: 雑誌「走るひと」(1milegroup㈱)


<WORK SHOP + MINI TALK>
2017年3月5日(日)
13:00~「おとなもこども楽しめる!未来の演奏体験 by KAGURA」
DJみそしるとMCごはん
使用ソフト:KAGURA(㈱しくみデザイン)


<KIDS EVENT>
2017年3月6日(月)
「スペシャキッズミーティング~音と木のおもちゃで遊ぼう~ 」
一部13:00…0~2歳児対象/二部15:00…3~5歳児対象
磯部正文(HUSKING BEE)
協力:東京おもちゃ美術館(日本グッド・トイ委員会)


<EXHIBITION>
※VR映像作品を体験できるブースを設置
「illion × SPACE SHOWER TV 「Told U So」ステーションID」3DVR ver.
「宇多田ヒカル30代はほどほど。」ライブダイジェスト 3DVR ver.
2017年3月4日(土)~3月6日(月)
SHIBUYA POP UP STUDIO イベント参加者様対象
2017年3月5日(日)17:00~19:00 一般入場可