「明日は経産省が机上の空論で作ったプレミアムフライデーとやら… 自分は。まったく関係無いって人はRTお願いいたします」
2月23日、プレミアムフライデーの前日。ツイッターではこのツイートが1万件以上リツイートされていた。消費喚起と働き方改革の取り組みとして注目を浴びるプレミアムフライデーだが、満喫できる人は多くない。
人通りは増えたかもしれないが、売上は伸びず
調査会社インテージの調べでは、「プレミアムフライデーを奨励・実施することが決まっている」と答えたのは2.5%、カルチュア・コンビニエンス・クラブの調べでは3.4%と、どの調査でも導入企業は5%に満たない。
ネットでは
「私たちみたいな銀行業務に携わっている人達は15時から締めの作業に入るんだよ。特に月末近くの15時からが忙しいの。何も恩恵を受けられないよ」
「週休2日も羨ましいのにプレミアムフライデーって。贅沢過ぎるー」
など、羨望と諦めが混じった声も聞かれる。
では、実際に街の様子はどうなのか。キャリコネニュースの記者は24日夕方、東京・新橋に向かった。17時半、すでにオープンしている立ち飲みバーがあったが、まだ客は入っていない。店主は「うちは17時開店なので、プレミアムフライデーはあんまり関係ないですね。お客さんもまだ来ません」と語る。
洋菓子店の店員も「人通りは多いようですが、爆発的に売り上げが伸びたりはしていません」と話しており、お客さんの入りはいつもと変わらないようだ。
「国際競争力の低下につながるんじゃないの」
居酒屋にいた大手企業に勤務する60代のサラリーマン男性の会社では、社内放送で、「今日は15時以降に会議を入れないように。15時45分になったら帰れる人は帰りましょう」と流れたという。しかし「結局みんな残ってたね」と語る。
「消費の拡大って言ってるけれど、日本が休んでいる間に他の国は働いているわけでしょ。国際競争力の低下につながるんじゃないの」
と、プレミアムフライデーに疑問を感じているようだった。駅前の広場にいた50代男性は「いつもと変わらない。うちはプレミアムフライデーないからね」と冷めた様子だった。
「消費が冷え込む中、月に1回財布の紐を緩める機会を作るのは意義がある」
ただ、盛り上がっていないといっても業界団体は前向きだ。日本ショッピングセンター協会事務局の担当者は「景気が落ち込む中、プレミアムフライデーは消費拡大の1つのきっかけとなるでしょう」と期待を見せる。
「静岡市中心市街地の活性化を目指す『I Love しずおか協議会』では、300店舗以上がプレミアムフライデーに参加しています。このように、徐々に地方へも浸透していくと思います」
日本小売業協会の担当者も次のように話していた。
「様々な業態がある中、一律15時退社は難しいでしょう。ただ、消費が冷え込む中、月に1回財布の紐を緩め贅沢を楽しむ機会を作ることに意義はあります。バレンタインやハロウィーンに並ぶイベントになってくれれば」
次のプレミアムフライデーは年度末の3月31日。机上の空論にならないとよいのだが。