今年1月のデイトナ24時間で総合優勝を飾ったリッキー・テイラーが、23日にマイアミ・スピードウェイで行われたインディカーテストにチーム・ペンスキーから参加した。
テイラーはこのテストで、昨年のインディカーチャンピオンであるシモン・パジェノーのマシンをドライブ。テスト中もパジェノーから直接レクチャーを受けている。
今回のテスト参加は、近年スポーツカーレースで活躍しているテイラーの功績が認められ、IMSAとインディにエンジンサプライヤーとして参画するシボレーが“報酬”として用意したものだ。
シングルシーターでの走行は「7~8年ぶり」だというテイラーは、雨でセッションが中断されたのにもかかわらず、とても幸せな経験ができたと語った。
「(テストに参加した)全員と知り合いになることができ、ドライブすることでマシンについても知ることもできた」とテイラー。
「手探りの状態だったけど、プレッシャーのかからない環境で走ることができて、僕にとって素晴らしい経験になった。たとえ、このテストが将来のキャリアに繋がらないとしても、多くのことを学ぶ良い機会だったね」
「インディカーはセッティングを変えることで、まるで違うマシンのようになる。さまざまな情報をマシンから受け取ったよ。特にインディカーが生み出すダウンフォース量は想像を超えていた」
「ダウンフォースのおかげでブレーキは本当によく効く。トラクションコントロールやパワーステアリングといったドライバーを支援してくれるものが無いから、これまで僕が乗ってきたマシンとはまったく違う感触だった」
事前にマシンのセットアップを行ったパジェーノは、テイラーのテストへの取り組み方を賞賛した。
パジェノーは「リッキー(・テイラー)はインディカーをドライブする価値を証明してくれた」とコメント。
「彼がペンスキーでテストを受けると聞いてクールだと思ったよ」
「これは僕らにとっても、リッキーにとっても名誉なことだ」
ペンスキーの競技ディレクターを務めるカイル・モイヤーは、今回のテストが行われるまで、およそ1年に渡る関係作りがあったことを明かしたほか、今後ふたたびテストに参加する可能性も否定しなかったものの、今回のテストでインディカーに参戦するチャンスが与えられることはないとしている。