メルセデスF1チームは、ドライバー間の交戦規則を修正する計画があるという。2016年シーズン最終戦アブダビGPでルイス・ハミルトンが取った行動により、チームの「盲点」が明らかになったことを受けての対策だ。
ハミルトンは、当時チームメイトだったニコ・ロズベルグが後方集団に追いつかれるよう、タイトル争いのなかで故意にペースを落として走行。メルセデスの勝利を確実なものにするため、ペースを回復するようチームから指示されたが、従わなかった。メルセデス・モータースポーツのトップであるトト・ウォルフは、最終戦の後に「ハミルトンの戦略は、F1チームが将来に向けて考慮すべき前例を作った」と述べている。
引退したロズベルグの後任としてチームに加入したバルテリ・ボッタスは、1月上旬、ハミルトンと仕事をするにあたって「厳格なルール」があるだろうとの予測を語った。ドライバーラインアップが新しくなったことによって、交戦規則を変えるかと聞かれたウォルフは次のように答えた。
「規則の内容は、経験を積みながら何年もかけて内部で成熟させてきたが、アブダビGPで盲点が発覚した。チームやドライバー、観客の利益のためにも、内容を発展させ続けたい。基本的なコンセプトは変わらないが、違う呼び方をするようになるかもしれない。多少の編集や、足りない部分を付け加えたりはするが、複雑な内部規則にはしないつもりだ」
「シーズンの始まりのころは、様子を見る必要がある。ドライバー同士の関係によっては全く違うものになるかもしれないし、他チームとの関係によっても、また異なるものになる可能性もある」
ハミルトンは昨シーズンのロズベルグとのタイトル争いについては幕を引いており、2017年に向けて良い状態にあるようだと、ウォルフは話す。
「ルイスは4年にわたってチームと仕事をしてきた。長く一緒に仕事をすればするほど、互いのことが良くわかるようになる。ここ数週間の彼を見ていると、とても機嫌が良く、精神状態も素晴らしいようだ」
「私には、昨年のことには幕を引いたように見える。彼のチームとの仕事ぶりには、卓越したものがある。我々は良い状態にあると思う。新しいチームメイトが入ったことで、関係性に変化があったからかもしれない。私は前向きな印象を持っている」