名古屋市営地下鉄の庄内通駅で2月22日、54歳の男性が「誰かに背中を刺された」と交番に駆け込むという事件が起きた。だがこれは男性の自作自演だったことがわかり、偽計業務妨害の疑いで逮捕されることになった。
同日に朝日新聞が掲載した記事によると、男性は事件を起こした理由について
「けがをすれば、仕事にいかなくていいと思った」
などと話しているという。
このニュースを受けて、とあるツイッターユーザーが「日本の社会の闇」というコメントとともに報道番組のキャプチャーを投稿。約1万6000件のリツイートがされたほか、トゥギャッターでもまとめられた。
「『通勤途中にトラック突っ込んでこないかなぁ?』って思うもの……」
逮捕されたのは団体職員の男性で22日の朝7時20分ころ、トイレ内で刃渡り約13センチの包丁で自身の背中左下部で刺した。傷は長さ約2.5センチあるといい、署が詳細を聞いたところ、自分で刺したことを認めた。
会社に行きたくないがために自分の背中を刃物で刺すとは、常軌を逸している。ネットでも、「仕事に行きたくなかったって自分を刺す自作自演どんだけなんだよ」「仕事に行きたくなかったからだって日本やべーな」など、驚きの声が挙がる。
一方で、「初老に近いおっちゃんがなんでそんなことすんねん思ってたけど仕事に行きたくなかったという理由を聞いて同意の気持ちでいっぱいになった」など、男性に同情を示すコメントも多い。
「わかるわかる。仕事めんどくさいから軽く事故ろうかなとかあるよね」
「でも、気持ちわかるわぁ。通勤途中にトラック突っ込んでこないかなぁ?って思うもの……」
「電車に飛び込まなかっただけ偉いよ、いやほんと偉いよ」
同様の事件は過去にもある。2011年には山形県酒田市にある東北日本ハム工場の課長(39)が放火未遂事件を起こし逮捕されている。容疑者は、課長というポストにプレッシャーを感じていたといい、「工場が火事になれば、会社に行かなくても済むと思った」などと供述したという。
名古屋の事件もそうだが、正常な精神状態であればこのようなことは起こさないはずだ。ネットでは、「仕事行きたくないから包丁で自分刺そって思考に至る職場とは……」など、男性を追い詰めた職場環境のひどさを批判する意見があった。狂言による事件を起こしたことは悪いとしつつも、「彼に必要なのは法的罰則の前にまず治療だと思う」という投稿もあったが、もっともだろう。労働環境の改善も必要だ。
ネットでは、「電車に飛び込まなかっただけ偉いよ、いやほんと偉いよ」という投稿のほか、
「仕事に行きたくない程度で自分を包丁で刺すくらいなら仕事辞めよう。下手したらそのまま人生やめることになるんだぜ」
という励ましの声が挙がっている。