かつてWRC世界ラリー選手権のジュニアカテゴリーとして『スーパー1600』と呼ばれるFFマシンで争われたJWRCで、スズキ・スイフトS1600をドライブしてシリーズ2位の成績を収めた経験もあるイギリス人、ガイ・ウィルクスが2017年のWorldRX世界ラリークロス選手権にフル参戦すると発表した。
■ウィルクス「いつか世界選手権にフルエントリーすることが望みだった」
ウィルクスがドライブするのは、昨年ヨハン・クリストファーソンが操り、ドライバーズランキング2位を獲得したフォルクスワーゲン・ポロRXスーパーカー。今年は旧型モデルとなるが高い競争力を持つと予測されている。
これまで2度のイギリス・ラリー選手権タイトルも獲得しているウィルクスは、今季の全12戦にエントリーの予定で、2015年から2年間で5つのラウンドにスポット参戦してきた活動が実を結ぶ形となった。
「いつか世界選手権にフルエントリーする機会を得るのが、かねてからの望みだったんだ」と喜びを語るウィルクス。
今季はフォルクスワーゲンのワークスサポートを得るペター・ソルベルグやクリストファーソンとは別チームからのエントリーとなるが、ウィルクスはエナジードリンクメーカーのLOCO(ロコ)から支援を受ける。
「去年チャンピオンシップで2位を獲得したマシンで参戦するのはプレッシャーだけど、年々、競争が激しくなっている世界ラリークロスでトップレベルの争いに加われる可能性が高まる要素であることは間違いない」
「エナジードリンクのLOCOと(その代表である)マーク・ブラックバーンに感謝したい。彼は僕が2015年のデビューラウンド(イギリス・リッデンヒル)に参戦したときから、僕を信じてくれていた」
「自分の信念と能力を証明するため、最高のチャレンジをしたい。2017年は素晴らしい旅になりそうだね!」
■“ラリークロスの聖地”最後の戦いにスポット参戦続々
この発表に際し、世界ラリークロスのプロモーターでマネージング・ディレクターを務めるポール・ベラミーは、次のように祝福のコメントを寄せている。
「ガイはラリークロスに非常に精通している。ドライバーとしての才能に疑いはなく、2015年にリッデンヒルでRXデビューを果たした際も、ファイナルに到達したことでポテンシャルを証明した」
また、今季からアウディスポーツのオフィシャルサポートを得たチームEKSは、マティアス・エクストロームとトーマス・“トピ”・ヘイキネンに続く3台目のエントリーとして、ラトビア人のレニス・ニテッシュを抜擢。昨季までドライブしたミュニッヒ・モータースポーツのセアト・イビーザからスイッチし、アウディS1 EKS RXクワトロのステアリングを握ることとなった。
そのほか、今季のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権で名門ウェスト・サリー・レーシング(WSR)に移籍し、BMW125i Mスポーツで戦う元王者のアンドリュー・ジョーダンが、地元イギリス戦のリッデンヒルにスポット参戦を発表。
イギリス戦は、18年にはリッデンヒルからシルバーストンに会場変更されることが決まっており、最後の“ラリークロスの聖地”での戦いでティモ・シャイダーの代役として、MJPレーシング・チーム・オーストリアのフォード・フィエスタRXスーパーカーをドライブする予定となっている。