2017年02月24日 11:13 弁護士ドットコム
不妊治療と聞いて、何を思い浮かべますか? 経験者と未経験者、関心の有無で答えは大きく変わりそうです。現在、不妊治療や検査を受けた夫婦の割合がおよそ6組に1組に上ると言われますが、その実態はあまり知られていないのではないでしょうか。
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2月25日(土)の午前0時から放送される新番組「Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~」(インターネット放送「AbemaTV」)のテーマは、「不妊治療破産」。この記事を書いている、弁護士ドットコムニュース編集部の山口紗貴子も出演しました。
番組の特徴は、出演者が全員女性であること。テーマの「当事者」となる人たち、また「聞き手」となる人を、司会のSHELLYさんが見事にさばいていきます(「裁く」ではありません!)。今回は、総額700万円を費やして出産した方、貯金を使い果たして授からなかった方、「予算1000万円で治療中」という女性の3人に、じっくりとお話を聞いていきます。
収録では、赤裸々に話を聞いていきましたが、やはり仕事との両立については相当な苦労がありそうです。通院が頻繁になる上、生理や排卵など身体の事情によって左右されるため、予定が組みづらい・・・。治療のために仕事を退職する人が珍しくない理由が語られていきます。
厚生労働省は2017年度、不妊治療中のヒアリング調査などを行ない、両立に向けた課題の洗い出しをしていく方針ですが、個々人が抱える事情は千差万別です。有給休暇を日単位ではなく時間単位で取得できる制度、期間をしぼって治療に専念する人に向けた休暇制度など、様々な制度が実現して欲しいと思います。
そのためには「治療中です」と言える雰囲気作りが前提となりますが、ここがネックになっている現実もありそうです。不妊治療中の知人は、「治療中だと伝えて、興味本位で根掘り葉掘り聞かれるのが辛いし、男性上司に『生理が、排卵が』と伝えるのも抵抗がある」言っていました。
それでも、制度整備を進めることで、この壁を乗り越えやすくなる効果があるのではないでしょうか。
冒頭の質問に戻りますが、不妊治療に関心のある人でも、ネガティブなイメージをやや多めに持っていたりしませんか。「不妊治療の末に妊娠できても、教育費がなくなりそう」とか、「不妊治療と仕事の両立をするなんて難しいのでは」とか。収録の日まで、私自身も不妊治療について、「大変そう」「辛そう」というイメージを持っていました。
さらに私ごとを続けて恐縮ですが、小学生の子どもがいる私(30代後半)は、ここ数年「2人目はどうする?」とよく聞かれています。中には、不妊治療で評判のよい病院や、知り合いの成功談を教えてくださる人も(悪気はないんだと思います)。「放っておいて欲しい」という気持ちもあり、あまりしっかりと考えてこなかったのが、「不妊治療」というテーマでした。
そして、高額をかけても結果がでなかったら、後悔するのではないかーー。そんな風に思っていました。しかし、収録で経験した方々の話を聞き、不妊治療は「わが子を産むこと」だけが目的ではないのだと考えが変わってきています。夫婦で1つのことにしっかりと向き合うことの意味、「今」を後悔しないために何でもやってみたいという思い。
不妊治療をすることの目的は、「わが子を産むこと」ことだけではない。そう考えると、不妊治療に1000万円をかけることは、高いのか、安いのか。皆さんは、どう考えますか?
【番組情報】
■『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』初回放送
放送日時:2017年2月25日(土)の午前0時~深夜1時
放送チャンネル:AbemaNews
初回放送URL&視聴予約はこちら:https://abema.tv/channels/abema-news/slots/8kXv1KyU7Pipr3
(弁護士ドットコムニュース)