メルセデスは、2017年に向けてF1パワーユニットに大きな変更を加え、MGU-HとMGU-Kを一新したことを明らかにした。また、昨年何度かトラブルが発生したことを受け、信頼性の向上に集中的に取り組んだという。
2014年のエンジンレギュレーション変更以来、メルセデスのパワーユニットはF1において最も優れた性能を発揮してきたが、今年はこれをさらに向上させてきた。
23日、メルセデスはシルバーストンにて、2017年型マシン『W08 EQ Power+』の発表およびシェイクダウンを行った。これに際し、メルセデスのエンジン部門マネジングディレクターであるアンディ・コーウェルが今季のパワーユニットに関して語った。
「すべてのエリアにおいて改善を果たした」とコーウェル。
「ERSシステムのベース構造は2014年にスタートした際のものと類似している。しかし今年のものが同じかというと、そうではない。ハイパワースイッチングにおいて改善し、より効率的になった」
「ボックス内の信頼性の面でいくつか改善した点がある。そのため、より長時間、よりハードに走らせることができる」
「モジュール内の熱効率を改善し、冷却の理由でシステムのレベルを抑える必要はない」
「ドライブサイクルの変更によりMGU-Hは一新され、MGU-Kも新しくなった。非常に大きな進化だ」
昨年はルイス・ハミルトンが何度かパワーユニット関連のトラブルに見舞われ、それがドライバーズタイトル争いに影響した。コーウェルは、メルセデスは信頼性向上に力を注ぎ、マレーシアGP決勝中のエンジンブローのようなトラブルを二度を起こさないため、6つのデザイン変更を行ったと明かした。
「去年は非常に辛いインシデントが何度か起きた。それに関して、詳しい調査を行った」とコーウェルは言う。
「(エンジンファクトリーの)ブリックスワースでは、非常に大きな変更を行った。リサーチ、前進に関する承認、コンセプトの見直し、開発が妥当かの確認、サプライヤーとの取り組み、我々自身のパーツの製造と組み立て、そういったもののやり方を変更したのだ」
「エンジン内に約6つのデザイン変更を行った。ベアリングシステムを改善し、パワーユニットの組み立て方における質の向上を3、4点にわたって行い、ライフに気を配った」