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健太郎 & 清原翔、ハイスペックイケメンが面白い! 『レンタルの恋』モデル出身俳優への期待

2017年02月23日 18:03  リアルサウンド

リアルサウンド

リアルサウンド映画部

 毎週、水曜深夜に放送せれているドラマ『レンタルの恋』(TBS系)をご存知だろうか。同ドラマは、恋人(彼女)のレンタルサービスを行う会社「RENTAL Lovers」の人気No.1レンタル彼女、高杉レミ(剛力彩芽)が、客のいかなる要望にも応えていく模様を描くラブコメディ。主演の剛力が、『エヴァンゲリオン』の初号機や、『エースをねらえ!』の宗方仁コーチなど、様々なコスプレ姿を披露して話題になっている。


参考:真面目な健太郎とユーモラスな矢本悠馬 『仰げば尊し』で存在感示す、若手俳優2人の「個性」


 しかし、このドラマの見所は剛力彩芽だけではない。レミちゃんにゾッコンの大学生・山田公介役の太賀をはじめ、公介の幼なじみ・道端すみれ役の岸井ゆきの、公介の親友・橘隼人役の健太郎、公介たちが通う大学の後輩・結城翔役の清原翔ら、今注目の若手俳優たちが多数出演しているのだ。太賀と岸井は近年、映画やドラマなどで目にする機会が多く、演技派俳優として名を馳せている。一方の健太郎と清原はどちらもモデル出身で、役者としての経歴はまだ浅いが、独特の魅力がある。そこで今回は、健太郎と清原のふたりを紹介したい。


 健太郎演じる隼人は、実家が有名な資産家で、将来は家業を継ぐことが決まっているため、バイトも就職活動もしていない気ままな大学生。公介とは中学以来の付き合いで、同じ大学に通っている。実家の長野からホッピングで東京まで行ったという逸話を持っており、どこか抜けているが気さくで優しい青年だ。健太郎が元来持つ純朴さが実に役柄にマッチングしている。


 また、隼人はお金持ちで性格もよしというハイスペックイケメンなのだが、天然な部分も持ち合わせているため嫌味がない。というより、何とも愛らしいのだ。昨日放送された第6話では、そんな隼人の可愛らしさが炸裂していた。レミちゃんをレンタルした相手が大物芸能人だと知り、口説かれてしまわないかと心配になった公介は、隼人を伴ってテレビ局の撮影スタジオまでやってきた。そこでレンタルしたのが有名子役の龍だと知り、安堵する公介。レンタル時間は撮影の休憩時間だけという約束で外出ができないため、レミちゃんはかくれんぼを提案し、有無を言わせず公介を鬼にする。


 こうしてレミちゃんと龍と隼人のかくれんぼが始まるのだが、公介はレミちゃんしか見えていないため、隼人には全く気づかない。というよりも、存在自体を忘れてしまっている。隼人は備品置き場のような場所で、ゴリラやクマのぬいぐるみに埋れて隠れているのだが、公介はその目の前を通ったにも関わらずスルー。隼人は驚き、思わず「あいつぜんっぜん気づいてねぇよ」とひとり言を漏らす。そこからしばらくドラマ内からも忘れられたように姿を消し、エンディングでやっと再登場するのだが、その姿が滑稽で面白い。


 警備員が消灯してしまい真っ暗な備品置き場の中で、ただひとり忘れ去られている隼人。クマのぬいぐるみに寄りかかりながら、「もういいよぉ……。もう、いいよ~~!」と虚ろな目で、早く見つけてくれと言わんばかりに叫んでいる。この“クマのぬいぐるみ”と“ひとりぼっち”、さらには“忘れ去られる”というシチュエーションが、なんとも母性本能をくすぐるのだ。


 また、第5話では、白のタキシード姿を披露した健太郎。爽やかさがより際立ち、SNSを中心に「かっこいい!」と話題になった。健太郎のよさは内側から滲み出る“ピュアさ”ではないだろうか。まだ19歳ということもあり、いい意味で少年らしさを残している。「演じよう」という気負い感のようなものを一切感じず、純粋にお芝居自体に心をときめかせている印象だ。第6話で子役の龍が、「ただ楽しくて、ただ好きで……。(中略)僕がお芝居やってるのは、僕がお芝居が好きだからだよ」というシーンがあるが、そのセリフは健太郎を彷彿とさせた。


 健太郎は「『楽しければいいかな』と、最初は軽い気持ちでモデルの仕事を始めたのですが、楽しくてどんどん夢中になっていきました。芝居もモデルと同じで楽しければと始めましたが、簡単にいくものではなかったです。どちらの仕事も大変ですが、そこを含めて面白い」(引用:健太郎が語る、『14の夜』男子中学生の世界観「80年代ヤンキーの生態をネットで調べた」)と語っているように、芝居に対して真剣に向き合った上で、全力で楽しんでいる。演じること自体に子供のような強い好奇心を持っているのだ。だからこそ、彼が出ている作品にはワクワクさせられる。特に隼人という役は、彼の“素”の部分を見ているようで面白い。彼の無邪気さに「頑張れ!」と思わず応援したくなるのだ。


 一方の清原演じる結城翔は、太宰治を愛読しているバスケットボール部のキャプテン。イケメンかつ文武両道ということでモテないはずがない。キャンパス内には彼のファンがたくさんいるが、翔はすみれに対して恋心を抱いており、積極的にアプローチしている。そんな“王子様”を具現化したようなキャラクターなのだが、初登場のシーンは衝撃的すぎて思わず笑ってしまった。


 第2話の終盤、大学の講堂で、公介がすみれに「お前、人の心配する暇あったら自分の心配しろよ。相手いねぇのすみれだけだぞ」というと、背後から突然「その相手って、僕が立候補しちゃダメですか?」という声が。振り向くと講堂の扉は全開で、なぜか上下ユニフォーム姿にジャージを羽織った翔が立っている。そしてこれ見よがしに右手の人差し指の上でバスケットボールをくるくると回し、そのままの勢いでバンッと1回ボールを床につき、「結城翔です」と王子スマイルで爽やかに名乗る。出番は20秒にも満たないのだが、ツッコミ所がありすぎるのと急展開すぎて情報処理が追いつかない。公介、すみれ、隼人同様にポカンとした視聴者は少なくないはずだ。


 5話で登場する際も、大学の講堂なのに、なぜかバッシュにユニフォーム、左手でドリブルをしながらやってくる。違和感はあるのだが、なぜかその姿が様になるからズルいのだ。清原は、2013年にファッション雑誌「MEN'S NON-NO」の専属モデルとしてデビュー。「MEN'S NON-NO」と言えば、今を時めく人気イケメン俳優、坂口健太郎や成田凌を輩出している。モデルということもあり、抜群のルックスとスタイルの良さ、加えて爽やかさ……というよりも、もはや汚れがない清潔さというべきか、とにかくユニフォームが似合う。


 第5話から徐々に出演シーンも増えてきており、第6話では翔の母親が天戸悠(原幹恵)であることが判明した。清原は、今回が連続ドラマ初出演ということもあり、演技自体には初々しさが残る。しかし、同じ「MEN'S NON-NO」出身の俳優、坂口や成田は2014年に役者デビューし、わずか2年で役者としてブレイクしているのだ。清原にも役者としての可能性は充分ある。


 同ドラマの公式サイト内でのコーナー「清原翔の『レン恋』現場だより」では、まだ映像慣れしていないのか、どことなく緊張感が漂っている。その初々しさと時折はにかむ姿に、心を掴まれる人は多いのではないだろうか。同コーナーで清原は、「僕自身、個人的に、若いうちにしかできないんで、学生役をやりたいなと思ってます」と話しているように、これから様々な役柄に挑戦していくのだろう。そして、持ち前の“爽やかな王子様”感を武器に、2年後には多くの作品で活躍しているかもしれない。


 健太郎、清原共に、今後俳優としてどう成長していくのか楽しみだ。


(文=戸塚安友奈)