3度のチャンピオンであるメルセデスのルイス・ハミルトンは、F1は「少し時代遅れ」だと考えており、新オーナーのリバティ・メディアが時代に追いつけるよう支援することを期待している。
ハミルトンは近年のF1における意志決定プロセスを批判した上で、結果がしばしばチャンピオンシップに不利益をもたらしていると考えている。しかし、メルセデスで以前チーム代表を務めたロス・ブラウンが新たに競技面の監督をすることが決まり、こうした「新勢力」がファンの意見に耳を傾けるのであれば、それが助けになると言う。ハミルトンはBBCラジオの番組内インタビューで、以下のように述べた。
「もう長いことになるけど、僕はF1が成功しているとは思えない。規則変更のせいでもあり、ファンへのサポートや魅力が足りないせいでもある。F1にはまだたくさんの、素晴らしいファンがいる。新オーナーの登場には胸が高鳴るし、彼らが何か新しいことをしてくれると期待しているんだ」
「新たな人、新しいアイデア、独自のやり方でファンを引き込む、新手法をね。F1は少し時代遅れだ。他のスポーツはエンターテインメントの面で、もっと先行している。F1も追いつこうとしているし、巻き返すためにやるべきことはたくさんある」
ハミルトンは2014年に導入されたターボハイブリット・パワーユニットのサウンドを「酷いもの」としており、ファンが楽しんでいた重要な面が失われたと感じている。以前のエンジン規格が生み出す音は、彼が幼少期にF1に夢中になった大きな理由のひとつだったと言う。
「何度も言ってきたことだけど、今のエンジン音は酷い。ほとんどの人は『それほど悪くない』と言うが、僕に言わせれば酷いものだ。1996年に初めてスパのグランプリに行き、パドックに入った。そこをミハエル(シューマッハー)がV10(フェラーリ)エンジンで走り去って行ったんだ。文字通り、胸郭に響いたよ」
「テレビで観ていたときよりも、さらに夢中になったんだ。まるでジェット戦闘機みたいで、『これは一体なんだ?』と思ったよ。ファンが愛しているのはそれだけではないだろうけど、匂いや素晴らしい音は、F1そのものでもある。そういうものを失って、今は静かなマシンが走るのを見ることになるなんて、悲しいね」