イギリスを拠点にしながらも、活動実態をWEB上のオープンソース・ネットワークに置き、設計開発者集団として技術ソリューションを提供するPERRINN(ペリン)が、2018年に向けハイブリッドシステム搭載に対応したカスタマーLMP1車両を発表した。
■WEC参戦の新たな選択肢となるか
これまでにも、技術規定の大きな変革を迎える2017年向けF1マシンなど、さまざまなカスタマー車両のデモンストレーションとエンジニアリングを行ってきたペリンが、WEC世界耐久選手権向けに新たなマシンを開発した。
ペリンは過去にもプロトタイプ・カテゴリーの車両設計を幾度かアナウンスしてきたが、今回のマシンは2013年に発表されたマシンの最終発展形となる。
組織の代表であり、プロジェクトを統括するニコラス・ペリンは、クラウドファンディングを活用して製作資金をまかない、マシン開発の資本と技術をウェブオープンソースの協力者たちから集約。このLMP1マシンを18年シーズンに希望するチームへ供給できる体制が整ったと話す。
「我々はまだスタートアップ企業ではあるものの、比較的小さな投資でWECやその他のシリーズに参戦する希望を叶える、魅力的な方法を提供できると考えている」とペリン。
「このオープンソースの設計コンセプトは、参加するすべての人々にとって利益を上げられる理想的なモデルなんだ」
■「WECに心から関心を寄せる人々に新たな選択肢を」
このオンライン・コミュニティのサポートにより開発されたマシンは、CFDや設計・シミュレーションなどもウェブ上で完結。エンジンには既存のカスタマースペックとなる4.4リッターのジャッドDBV8を使用し、現状の最低重量は870kgを想定している。
さらにオプションとして、フロント部分に独自に開発した運動エネルギー回収システム、KERSの搭載が可能。全輪駆動のハイブリッド車両としてLMP1-Hへの参戦を可能としている。
ペリンは「ジネッタもLMP1車両の供給を発表したが、我々も独立した組織として競争力のある全輪駆動のプロトタイプモデルを設計、構築できることを示したかった」と語る。
「WECに心からの関心を寄せている人々に、新たな選択肢が提供できるはずだ」