2017年からMotoGP最高峰クラスに新規参入するKTMは、18年シーズンからサテライトチームへマシンを供給することを目指しているようだ。
■優先事項は「ワークス体制強化」と「マシン供給準備」
オーストリアを拠点とするKTMは15年10月に最高峰クラス用マシン『RC16』を公開。その後、16年最終戦バレンシアGPへのワイルドカード参戦などを経て、今季からフル参戦を開始する。
参戦ライダーはポル・エスパルガロとブラッドリー・スミスの2名。また、テストライダーのミカ・カリオがワイルドカード参戦することが予想されている。
KTMのステファン・ピエールCEOによれば、チームは参戦2シーズン目となる18年に勢力を拡大することを視野に入れていると言う。
MotoGPを運営するドルナスポーツと参戦各社が交わした最新の契約書では、最高峰クラスの全24グリッドを6つのメーカーで構成。各メーカーはワークスチームとサテライトチームから、各2台ずつ参戦させることが目標とされている。
現時点ではKTMのほか、スズキ、アプリリアがワークスチームでのみの参戦だが、一方でドゥカティはワークス/サテライトあわせて8台のマシンをMotoGPクラスに送り込んでいる。
「参戦初年度はワークスチームに重点を置く」とピエールCEO。
「ドルナスポーツとは5年間契約を交わしており、参戦2年目からマシンとパーツをサテライトチームに供給することでも同意している。これが今後2年間の計画だよ」
「我々の優先事項はワークスチームの体制を整えること、そして、サテライトチームにマシンを供給する準備を整えることのふたつになるだろうね」
■ピエールCEO、スズキの健闘を賞賛。「ベンチマーク」とみなす
先週、オーストラリアのフィリップアイランドサーキットで行われたオフィシャルテストで、KTMのエスパルガロはトップから1.308秒差のベストタイムを記録しており、この結果には「士気が高まった」とピエール。
また、ピエールは現時点でチームがターゲットとしているのは15年シーズンからMotoGPクラスへ参戦を開始したスズキだとも明かしている。
「私は常々、スズキの戦いぶりは素晴らしいとチームスタッフに伝えている。基本的には、彼らをベンチマークとみなしているよ」
「我々にとっての初テストは難しいものだった。ライバルチームとは異なり、ベースとなるセッティングがなく、まったく違うセットアップを試していたからね」
「しかし、テストはうまくいった。そしてフィリップアイランドでのオフィシャルテストでは、我々が正しい方向に進んでいることがわかり、モチベーションが高まった」
「我々が挑戦しているダカール(ラリー)では、(KTMが優勝するまで)7年かかった。まず、我々は(MotoGPクラス最初の)3年間で表彰台争いに絡めるだけの戦闘力をつけたいと考えている」