フォーミュラEドライバーであるジャン-エリック・ベルニュは、今シーズンはフェラーリのリザーブドライバー職を継続しないことになった。
ベルニュは2015年にテストドライバーとしてフェラーリと契約し、シミュレーターでの作業に従事。2016年には正式にリザーブドライバーに就任していた。チームは今季、昨シーズンのGP2で選手権2位を獲得したアントニオ・ジョビナッツィをサードドライバーとすることを発表している。代わりにベルニュは、マネジメントにもかかわっているテチーター・フォーミュラEチームでのレース活動に専念する。
26歳のベルニュはテチーターに出資しているとされており、同チームがチーム・アグリのフォーミュラEでのエントリー枠を買収して以来、体制構築において大きな役割を果たしてきた。フェラーリでの役目を続けるか否かを問われると、ベルニュは以下のように答えている。
「今はここ(テチーター)だけだ。今シーズンはリザーブドライバーを続けないと、最初からはっきりと決めていた。フェラーリとはよく連絡を取っているし、良好な関係を保っている。でもグランプリに行って、これまでと同じ役割を務めることはない」
「フェラーリのようなチームにいるのは有益で、何らかの形で常に利益を得られる。僕は今もあのファミリーの一員であり、それは素晴らしい気分だ」
テチーターのオーナーであるチャイニーズ・メディア・キャピタル(CMC)は、最近になってシリーズの株式を取得している。ベルニュは、これが中国の投資家がフォーミュラEの主要勢力となる、長期的な基盤構築の序章になるだろうと考える。
「このプロジェクトに取り組み始めた時から(株式取得は)計画されていた。彼らは大企業で、今後の急成長が見込める事業へ参入する、非常にいいチャンスを見つけたんだ」
ベルニュは今年の夏、ル・マン24時間耐久レースにデビューを果たすことに関心を持っており、LMP2とLM-GTEプロクラスの比較検討をしているようだ。
「これについては、いまも取り組んでいる最中で、これまでよりも強く関心を抱いている。ル・マンとFIA世界耐久選手権(WEC)の、何レースかに参戦したい。いくつか選択肢があるけれど、現時点で詳しいことは何も言えない。でも今シーズン実現できたら、すごく面白いことになるだろうね」