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WRC:「ペイドライバーにはなりたくない」とミケルセン。18年のワークス加入に注力か

2017年02月22日 11:52  AUTOSPORT web

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「ペイドライバーにはなりたくない」と心境を明かしたアンドレアス・ミケルセン
WRC世界ラリー選手権に参戦するアンドレアス・ミケルセンは、FIAがフォルクスワーゲンの新型ポロR WRCのホモロゲーションを認めなかったことに“顔を殴られたような衝撃を受けた”とコメントした。

■ミケルセンは16年シーズン2勝もワークス移籍に失敗
 ミケルセンは昨年までフォルクスワーゲンのワークスドライバーとして活躍。2016年は2勝を挙げているほか、ドライバーズランキングでも3位を獲得している。

 しかし、チームのシリーズ撤退に伴い、ミケルセンはシートを喪失。その後、最上位クラスを戦うワークスチームへ移籍することも叶わず、1月のラリー・モンテカルロではWRC2クラスにスポット参戦していた。

 そのミケルセンは以前、自身も開発を担ってきた新型ポロR WRCをプライベートチームとして走らせることがもっとも理想的と語っていたが、上述の通りFIAが参戦を認めなかったため、実現には至らなかった。

「今年、(ワークスチームで)ドライブするために手を尽くしてきたけど、これ以上どうすればいいのか分からない」とミケルセンは心境を吐露する。

「去年はシリーズ終盤までランキング2番手につけていたし、最終戦(ラリー・オーストラリア)で勝利した」

「しかし、残念ながら状況は悪い方へ進み続けている。最近FIAが下した決断には、まるで顔を殴られたような衝撃を受けたよ」
■プロとして自信。「ペイドライバーにはなりたくない」

 ミケルセンはシュコダ・ファビアR5で挑んだラリー・モンテカルロで、ライバルを引き離しWRC2クラスで独走優勝。総合でも7位に食い込む活躍をみせた。

 今後も、シュコダからWRC2クラスにスポット参戦する可能性はあるとしたものの、ミケルセンは2017年型WRカーで最上位クラスを戦うことを優先していると明かす。

「2017年型WRカーで戦う必要がある。旧型WRカーで参戦するだけの予算はあるけれど、あのマシンでは総合8番手争いが関の山だ。それでは意味がない」

「それに正直に言えば、僕にはプロドライバーとしての自信がある。ペイドライバーにはなりたくないんだ」

「昔、資金を持ち込んで走ったことはあるけれど、もう一度やりたいとは思わない。そうせざるを得ないのであれば、これはモータースポーツ界ののネガティブな側面だとしか表現できない」

「(優勝した)ラリー・オーストラリアやモンテカルロから時間は経っていない。これ以上、何かを証明する必要はないと思っている」

 現時点でプライベートチーム向けに2017年型WRカーを供給しているのはMスポーツのみ。しかし、充分な資金を持ちこまないでシートを獲得することは極めて難しいと考えられている。

 なお、ミケルセンは今シーズン全戦でレッキ走行は行う予定だとコメント。シリーズに帯同しながら、2018年シーズンに向けた調査を進めると語った。

「チーム間の戦力差を見極めていくつもりだ。2018年にチャンピオン争いができるチームに加入したいからね」