トップへ

「2017年はスリップストリームの効果が増大」新規定によりF1のオーバーテイク増加か

2017年02月21日 17:42  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ダニエル・リカルド、ダニール・クビアト(レッドブル) 2016年F1第2戦バーレーンGP
レッドブルF1チームの技術部門は、F1が2017年に導入する新たな空力規則によってドラッグが増加し、その結果オーバーテイクの機会が増える可能性があると考えている。

 新レギュレーションによりコーナリングスピードを大幅に上げようとするF1の試みには、空力パフォーマンスの変化でホイール・トゥ・ホイールの戦いが相当難しくなるのではないかという懸念があるが、同時に、ストレートにおけるスリップストリームの効果が上昇するという期待の声もある。

 レッドブルのヘッド・オブ・ビークルダイナミクスを務めるピエール・ワシェは「17年のマシンはアグレッシブなルックスになる。全幅が広がり、ワイドタイヤの装着によってさらに迫力が増すんだ」と語る。

「だが、全幅が広がるということは、オーバーテイクを難しくする側面を持つともいえる」

「しかし一方で、それによってエアロダイナミクスやドラッグが増し、ストレートを走行する時間が長くなれば、スリップストリームを使ったオーバーテイクのチャンスは以前よりも多くなるはずだ」

 レッドブルの空力部門責任者のダン・ファロウズはこう説明する。「ドラッグの観点で言えば、マシンのダウンフォースが増すほどに、良くも悪くも周りのマシンからの影響を受けやすくなる」

「つまり、ストレートでスリップストリームを利用すべく、前を行くマシンと接近できるので、その意味ではオーバーテイクも容易になるといえるだろう」

 また、ピレリが新たなレギュレーション導入をきっかけに、より耐久性の高いタイヤを導入することで、ドライバーにとってはさらに攻撃的な走りが可能となり、レース展開の面白さが増すことにもつながると考えられる。

 チーフエンジニアのポール・モナハンは「タイヤ自体が、これまでのものよりも耐久性の高いものだとしたら、レースも変わっていくはずだ。必ずしも悪い方にではなくね」と語る。

「今年はもっと多くのオーバーテイクを見られることになるだろう」