2017年、サーキットレースへ本格復帰するロバート・クビカは、バイコレス・レーシングでのWEC世界耐久選手権挑戦はサーキットレースでの勘を取り戻すために完璧なプログラムであると語った。
11年2月に参戦したイタリアのラリーイベントで大クラッシュを起こし、レースキャリアの転換を余儀なくされたクビカにとって、サーキットレースへのフル参戦は10年のF1以来となる。
クラッシュ後、クビカは12年から4年間に渡りWRC世界ラリー選手権で活動。しかし、16年はムジェロ12時間やルノー・スポール・トロフィー・シリーズに参戦するなどサーキットレースでの活動を本格化させてきた。
昨年11月には、バーレーンで行われたシーズンオフテストにバイコレスから参加したほか、今年1月には同チームへの加入を明かしている。
オーストリアのチームであるバイコレスは今季、LMP1クラスに参戦する唯一のプライベーターチームとなる。クビカは、優勝争いやタイトル獲得へのプレッシャーがないことは自身の助けになると語った。
「僕はレーシングドライバーとして精鋭スタッフたちと働いてきた」とクビカ。
「しかし今日、僕は新しい道を歩み始めている。同時にさまざまな状況に対応する必要があるんだ」
「近年はレースのオファーを数多くもらったけど、レースウイークの前に少なくとも1回のテストが必要だった」
「僕は自分の身体がドライビングにうまく対処できるのか、問題が起きた際にしっかりと対応できるのかを知る必要があった」
「今はもう準備が整っていると感じている」
クビカの右腕は事故後可動範囲が狭まり、シングルシーターマシンをドライブするための大きな障害となっていた。
しかし、バーレーンでのテスト後、クビカはふたたびF1マシンをテストすることは物理的に可能であると感じているという。
「バーレーンでのテストの後、ステアリングの舵角を確認したよ。問題はないはずだ」
「今日、僕のパフォーマンスは90%まで戻っていると確信している。残りの10%のマージンも埋めることができるよ」