求人広告に「アットホームな職場」とあったとき、どういう感じがするだろう? 仲がいい、気さくな雰囲気ですよと言いたいのだろうが、先日発言小町に、そこに疑問を投げかける投稿があった。
投稿者は求人情報を見るのが好きなIT系フリーランスの40代女性。求人情報には、「アットホームな職場」「職場でクラブ活動等さかん」「BBQなど定期的に開催しています」などと書かれていることがあるが、
「最近の20代くらいの人は、こういうことが書かれていると、逆に敬遠するのではと思うのですが、皆さんどう思われますか?」
と問いかけていた。(文:okei)
「みんな仲良しだから残業代なんて水臭いこと言わないでね」
彼女は、コミュニケーションの必要性は認めるものの、「職場の人は職場の人。プライベートまではカンベン」との考えだ。レスはこういう人のほうが多いだろうと思っていると、敬遠どころか「絶対に避ける」「ブラックな香り」など、むしろ「ブラックの目印」とする声がいくつもあがった。
「クラブ活動、BBQはともかく『アットホームな職場』は待遇等についてアピールできるような利点がない職場のことが多いです」
「そして別に居心地がいいわけでもない。はっきり言えばかなりブラック寄り」
アットホームを謳うのは、通常業務だけでなく、事務所の掃除や子どもの世話までおしつけられ、「でもうちはみんな仲良しだから残業代なんて水臭いこと言わないでね」とワンマン社長が政権を振るう小さな会社に多いという。もちろんすべてではないだはずだが、似たような経験を明かす書き込みが老若男女問わず何件もあった。
「まともな会社は業務内容について淡々と書いているものです。アットホームを打ち出すということ自体あやしいです」という言葉に、世の中何を信じていいのやら分からなくなる。飲み会やバーベキューなどイベントが多く強制参加。社員旅行の積立金を徴収されて、行かなくても返金されないというひどい例もあった。「そういう会社は速攻でやめました」とキッパリした人も少なくない。
逆に「アットホームが嫌いな人は来ないでね」という警告?
ある60代の男性は、アットホームな職場がメリットだった時代のことを書き込んでいる。中高生で就職することが多かった昔は、企業側も職業人としてだけでなく一人の人間として面倒をみて育てるという責任感があったという。一度家族になれば定年まで、OBになっても関係は続くというから、現在の意識と大きくかけ離れていることが分かる。現在はそこまで責任を負う気概のある企業はほとんどないだろう、とこの人自身が結論づけていた。
一方で、「これはアットホームが嫌いな人を避けるため」という指摘もある。
「『アットホームだから安心してね』というメッセージであると同時に、『アットホームが嫌いな人は来ないでね』でもあると思います。(中略)仰るとおり、たぶん若い人は避けるでしょう」
実際に、ワンマン社長のもとでは若い人は続かないため、意図をくみ取って動ける40代くらいの人がいいからと、わざとそういう文言を入れたという証言もあった。それなら希望年齢でも明記すればよさそうなものだが、若くてもアットホームが好きなら受け入れたいということだろう。いまどきそれほど居るとも思えないのだが。