2月18日に開催されたフォーミュラE第3戦ブエノスアイレスePrixで、3位表彰台を獲得したルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)に、危険なピットアウトがあったとしてレース後にペナルティが与えられた。しかし、この裁定に対し、ネルソン・ピケJr.(NextEV TCR)が批判の声を挙げている。
アルゼンチン・ブエノスアイレスで行われた決勝レース中盤、マシンを乗り換えるためにピットインしたディ・グラッシは、ピットに進入してきたピケJr.の眼前でピットアウト。衝突を避けるため、ピケJr.は急ブレーキを強いられる場面があった。
レース後、スチュワードが調査を行った結果、ディ・グラッシに非がある行為と裁定。戒告処分と1500ユーロ(約18万円)の罰金を課している。
その一方で、タイムペナルティなどは課されなかったため、ディ・グラッシは3位表彰台をキープ。ドライバーズランキングでのトップと29点差の2番手を維持した。
これまでフォーミュラEでは、危険なピットアウトが行われた場合、ドライブスルーペナルティやタイムペナルティが与えられてきたが、今回は罰金と戒告処分のみ。これについて、スチュワード側は個々の事案に対して、適切なペナルティを与えていく方針だと語っている。
しかし、ピケJr.は同じ違反に3種類のペナルティが存在することは公平さに欠けると指摘する。
「スチュワードの裁定には一貫性がまったくない」とピケjr.。
「個々の事案に沿って判断すると言うけれど、どんな状況でも危険なピットアウトであることに変わりはないはずだ」
「本当にいら立ちを覚えるよ。こういった裁定にグレーゾーンなんてものはない。白か黒か、はっきりと判断してもらいたい」
「いくらでも手段はあるはずだ。コースには至るところにカメラが付いているし、すべてのマシンにGPSが積まれているんだからね」
また、ピケJr.はレース前に行われるドライバーブリーフィングでも、スチュワード側に一貫性がないと指摘。早期に改善を図るべきと強調する。
ピケJr.はブエノスアイレスePrixの予選セッション中、黄旗無視があったとして審議対象となったが、ピケJr.によれば、事前ブリーフィングで黄旗に関する説明は行われなかったという。
「予選では緑旗と赤旗の2種類しか使用しないと言われた。黄旗はないと言っていたんだよ」
「しかし、実際にはマーシャルポストで黄旗が振られていた。それを確認した瞬間アクセルを緩めたよ。ただ、コーナーを立ち上がって、もう一度ポストを見たら黄旗はなくなっていた」
「ちょうどアタックしていたタイミングだったから、本当に困惑した。しかもスチュワードは本来、予選では使われないと言われた黄旗を無視したとして、僕を呼び出したんだからね」
「本当に信じられないようなことが頻発した大会だった」