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蜷川幸雄一周忌追悼 『NINAGAWA・マクベス』日本公演含む世界ツアー

2017年02月20日 10:12  CINRA.NET

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『NINAGAWA・マクベス』ポスタービジュアル
舞台『NINAGAWA・マクベス』の世界ツアーが6月から開催される。

蜷川幸雄が手掛けた『NINAGAWA・マクベス』はウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』をもとに、セリフや人物設定を変えず、時代を日本の安土桃山時代に移した作品。1980年の初演以来、国内外で上演されており、蜷川は同作でヨーロッパデビューを飾った。2015年には約17年ぶりに再演された。

今回の世界ツアーは蜷川の生前から計画されており、昨年に蜷川が逝去したことから、一周忌の追悼公演として実施されることとなった。6月の香港公演を皮切りに、埼玉、佐賀、イギリスのロンドンとプリマス、シンガポールを巡る。埼玉公演は7月13日から埼玉・彩の国さいたま芸術劇場、佐賀公演は8月5日と6日に佐賀・鳥栖市民文化会館で上演。シンガポール公演の日時や会場は現時点では明らかになっていない。

今回ダンカン王を暗殺して王座に就く主人公・マクベスとその妻を演じるのは、2015年の再演時にも同役を演じた市村正親と田中裕子。魔女に自身の子孫が王になると予言されたことからマクベスに殺されるバンクォー役を辻萬長、ダンカン王役を瑳川哲朗、マクベス討伐を狙うマクダフ役を大石継太がそれぞれ演じる。埼玉公演のチケット販売は4月22日に開始される。

■市村正親のコメント
稽古では幾多のダメ出しを受けて、公演に入り、最後、台本にサインをお願いしたら、「頑張った。蜷川幸雄」と書いてくれました。これからも自分が演じる背景には、常に蜷川さんの魂が傍にいるような気がします。『NINAGAWA・マクベス』で海外公演に一緒に行けないのは無念だけど蜷川魂をこの胸に抱き、乗り込みたいと思っています。マクベスを本場ロンドンでというとプレッシャーは普通なら感じるでしょうが、僕にはニーナがついている。胸を張って乗り込みたいと思っています!

■田中裕子のコメント
『NINAGAWA・マクベス』の稽古場で蜷川さんは「忘れないで。僕はいつもここに居るから。ここから見てるから」と、おっしゃいました。あの稽古場でまた稽古を積み直し、市村さんのもと皆で、2017年の再演に向かいます。楽しみにしていらしたイギリス公演にも、蜷川さんと一緒に挑みたいと思います。