ウイリアムズF1チームの副代表クレア・ウイリアムズは、2015年にバルテリ・ボッタスのフェラーリ加入を阻止していたが、他チームへの移籍の邪魔は二度としないとの約束があったことを明らかにした。
ニコ・ロズベルグの突然の引退にともない、ボッタスは契約の残るウイリアムズが放出する形で、2017年、チャンピオンチームのメルセデスに加入。しかし2015年にフェラーリがボッタス獲得に興味を示した際のウイリアムズは協力的ではなく、その状況が今回の移籍にひと役買うことになった。クレア・ウイリアムズは、ボッタス放出について以下のように語っている。
「バルテリはウイリアムズの重要な一員でした。彼はドライバーが持つべき激しい情熱を持っており、最高のマシンに乗って勝つことだけを望んでいたからです。メルセデスが求める資質を持つドライバーだと知りながら、自分のチームのマシンでレースをさせることを、強制できるでしょうか? それは正しいことではありません」
「私たちは以前フェラーリが接触してきた時に、一度バルテリを引き止めました。その時に私は、今後は移籍の邪魔はしないと約束したのです。約束は守ります。彼は素晴らしいチャンスに恵まれました。今年のバルテリがどうなっていくのかを見るのが、本当に楽しみです」
1月、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、フェリペ・マッサが引退を撤回し、ルーキーであるランス・ストロールのチームメイトとして復帰できるよう金銭的な支援を行ったことをイタリアのメディアに明かし、クレアのことを「本当に有能なビジネスパーソン」と表現した。
ボッタスの移籍の契約条件はチームにとって最善の利益になったと、クレアは考えている。
「確実に、チームのためになるようにしました。自分の判断に絶対の自信を持っています。私たちは正しいことをしたし、何も後悔していません。私を知る人は、誰もがチームのために有利な取引を行ったと分かるでしょう。私がこういった動き方をするのは、チームが最善の利益を得られるときだけです」
「私がどれだけこのチームを愛し、大切に思い、勝利へ導きたいと思っているかは、全員が知っています。フェリペが何をしてくれるかが、楽しみです。彼の声には情熱が戻っている。プレッシャーはなくなりました。フェリペは最後のシーズンのために帰ってきて、レースを楽しむでしょう」