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「チーム消滅は機能不全の証拠」マノー撤退を受けてミナルディが現在のF1システムを批判

2017年02月18日 09:02  AUTOSPORT web

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2016年最終戦アブダビGPで、最後のレースを走るのマノーのエステバン・オコン
ミナルディ・チームの創設者であるジャンカルロ・ミナルディは、F1のシステムは機能不全の状態にあり、見直す必要があることがマノーの消滅によって証明されたと語っている。

 1月下旬、マノーは新たな買い手を得るという望みを絶たれ、管財人がチームの破産を公表した。これによって200人以上ものスタッフが職を失い、2017年シーズンは20台のマシンで戦われることが決まった。

 1985年から2005年までの期間で340レースに参戦し、トロロッソの前身となったチームを創設したミナルディは、以下のように話す。

「F1からチームが消滅するときは、全体的なシステムが機能不全に陥っているときだ。現在のレギュレーションが2020年まで効力を持つことを、忘れてはならない」

 ミナルディは、2014年シーズンに1.6リッターV6エンジンを導入したことが、チームを財政難に導いた要因であると考えている。

「近年のF1はテクノロジーの道を進んでいる。つまり、F1をテクノロジーの集大成にしようとしており、パワーユニットの導入でコストは大きく跳ね上がった。パワーユニットの技術は、どちらかといえば耐久レースで見たかった。F1はスプリントレースで、ドライバー同士が接近戦をするものだ」

 現在69歳のミナルディは、元FIA会長マックス・モズレーの「F1は2017年のルール改定で、間違った方向性へと進んでいる」との見解を支持。車幅とウイングが拡大され、タイヤサイズも大きくなった今季のF1はラップタイム向上が期待されている。

「シミュレーション上、メルボルンでは(1周あたり)4~5秒速くなったマシンを目にすることになる。その利点はなんだ? グランドスタンドやテレビで見ている人たちは、そのことに気づきもしないのに、改善になるわけがない」

 パドックを離れて11年になるが、今でもF1を観戦するというミナルディ。新オーナーのリバティ・メディアには、基本への立ち返りを望む。

「興味を失って離れていったファンたちを呼び戻すために、もっと多くの日数をデータ収集テストにあてればいい。シミュレーターに時間を費やすより、コースに戻るべきだ。私なら、チームスタッフの数を減らしていく。レース現場と同時に遠隔の本拠地で働くエンジニアチームは、廃止にするべきだ。さらにエンジンとマシン開発の自由度を高くし、制限を撤廃する」

「ピットストップでは1台のマシンに対してのメカニックの人数を、8人まで減らす。そのほうがテレビ視聴者には面白くなる。コスト削減を後押しするだけでなく、戦略的な観点からいっても、よりエキサイティングになるだろう」