レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは、テストで競争力を発揮しているにもかかわらずホンダのMotoGPマシンに不満を表明しているのは裏の意味があってのことではないと話している。
2016年のMotoGPクラスを制したマルケスは、オーストラリアのフィリップアイランドで行われたオフィシャルテストで初日はトップに立ち、2日目には最多周回となる107周を走ってヤマハのマーベリック・ビニャーレスに次ぐ2番手のラップタイムを記録した。
だがマルケス自身は、ホンダの新型エンジンが電子制御系とうまく連動できていないことに断固としてこだわっている。
マルケスのホンダに対する評価に対し、ヤマハのバレンティーノ・ロッシはマルケスがライバルたちを油断させようとしていると語っていた。これについて、何かを意図した発言なのかと聞かれたマルケスは次のように答えた。
「僕は計算して発言したりしない。やるべきことが終わっていたら107周も走ったりしないよ。両手も痛くなった」
「僕たちは常に安定的な走りができている。これは本当だ。だけど、今日のマーベリックは僕たちより速かった。1周だけでなく全体的にだ。彼のペースは本当に素晴らしかった」
「もし僕がもう限界までできたと感じたら、限界までできたと言うさ。すごく速く走れたけど、まだ納得できていない部分があるということだ」
「マシンに乗っている間はすごく良い感じなんだが、フィニッシュラインを越えてラップタイムを見ると、良いタイムではあるけど、何かが足りていないと感じるんだ」
マルケスは、ホンダはまだマシンの基本性能に満足できておらず、ミシュランの新スペックタイヤのテストの優先順位が下げられた、と付け加えた。
「今日はフロントタイヤは試したが、リヤは時間がなかったのでトライしなかった」とマルケス。
「僕たちの主なプライオリティは、セッション終盤に2回行ったロングランだった。チームとしてチェックすべき項目がたくさんあったんだ。制御系とエンジンに関する問題点を洗い出すためにね」
マルケスはフィリップアイランドテストを、病気でオーストラリア帯同を断念したレギュラークルーのチーフ、サンティ・ヘルナンデス抜きで行っている。
ヘルナンデスの不在についてマルケスは「大変なんだよ。一緒にいると当たり前だと思って意識しない。だけどいなくなってはじめて、その人がいかに大切か気が付くのさ!」と冗談めかして語った。
「僕たちはすごく良いチームだ。サンティは自宅にいるけど、常に連絡を取り合っているよ。夜もあまり寝られていないんじゃないかな」
「とにかく良いチームだ。HRCのスタッフも手伝ってくれるし、うまく進められるようみんなで努力しているよ」