14シーズンに渡ってアメリカン・オープンホイールのトップカテゴリーに参戦してきたKVレーシング・テクノロジーが、インディカー・シリーズから撤退することを発表した。
KVレーシングは、ジャック・ビルヌーブの元マネージャーでBARの代表も務めたクレイグ・ポロックと共にケビン・カルコーベンが創設したPKレーシングが始まりだ。翌年には、ドライバー兼共同オーナーとしてジミー・バッサーを迎えPKVレーシングとしてチャンプカーに参戦。
2008年からはチャンプカーと統一されたインディカーへと移り、KVレーシング・テクノロジーに改名された。
2013年にはトニー・カナーンがインディ500を制するなど、14シーズンで7勝を挙げた。2010年には佐藤琢磨がKVレーシングからインディカーへとデビューし、2度のポールポジションをもたらしている。
KVレーシングは、先週行われたフェニックスの合同テストに参加せず、16日に共同声明を発表。インディカー・シリーズからの撤退が決定した。
チームを支えてきたカルコーベンは、「過去14年間にわたってKVレーシングの努力に携わったすべての人に感謝したい。しかしながら、私は73歳となり、これ以上チームメンバーの努力にふさわしいサポートを与えることができないと感じた」
「本当に楽しい時間を過ごすことができた。2008年のシリーズ統一を助けることもできたし、最も素晴らしくスぺクタルなレースであるインディアナポリス500マイルレースも制したんだ」とコメント。
2008年からチームに加わったバッサーは、「長年に渡ってチームを支えてくれたファンに感謝したい。まだ現役ドライバーの間に、ドライバーからチームオーナーへと移行する特別でユニークな機会を与えてくれたケビン・カルコーベンにも感謝している」
「このチームの一員であることは非常に誇りであり、我々が成功を勝ち取るために一緒に働いた偉大な仲間とドライバーを大切にしていきたい」とコメントし、「多くの浮き沈みがある旅だったが、いつも2013年のインディ500を制したことを思い出す。インディカーは、25年という私の人生の一部であり、自分の魂がある場所だ」と振り返った。
念願のインディ500勝利をKVレーシングと共に勝ち取ったカナーンはチームの撤退に対し、「チームが去っていくのは不思議か悲しいものだよ。しかし僕にとっては、一緒に過ごし、一緒に戦い抜き、大きなレースを勝ち取った特別なチームで、どこでどのように戦ったか覚えているよ」
「残念ながら、これがレースだし、僕たちの現実だと思う。人々は来るし、出ていくんだ。でも、心の奥では、去っていくのを見たくはないね」