テレンス・マリック監督の映画『ボヤージュ・オブ・タイム』の続報が発表された。
3月10日から東京・日比谷のTOHOシネマズシャンテほか全国で順次公開される同作。今回の続報では、日本語版の語りを中谷美紀が担当することが明らかになった。中谷が洋画作品で全編を通じて語りを担当するのは、同作が初となる。発表にあわせて、中谷が語りを担当した日本語版予告編と、収録時の中谷の姿を写した写真などが公開された。
『シン・レッド・ライン』『天国の日々』などの作品を発表しているテレンス・マリック監督が40年を費やして制作したという同作は、宇宙の誕生と死、生命の歩みを追ったドキュメンタリー。製作にはブラッド・ピットが参加し、ナレーターをケイト・ブランシェットが担当している。
同作のプロデューサーを務めたソフォクレス・タシオリスは、中谷について「素晴らしいの一言!テレンス・マリック監督が求めるトーンやテンションに非常にあっていて、収録現場でお願いしたちょっとしたニュアンスの違いなど、非常に繊細な要望にも完璧に答えてくれました。日本語版語りを彼女にしてもらえてよかったです」と太鼓判を押している。
■中谷美紀のコメント
・今回のオファーについて
『ツリー・オブ・ライフ』や『シン・レッド・ライン』などテレンス・マリック監督の過去作を拝見していて、表面的ではなく、人間の根源に迫るような、魂を揺さぶる作品をつくっていらしたので、是非、監督の作品に関わってみたいという思いがあり、お話をいただけたのはとても嬉しかったです。
・収録について
監督やプロデューサーのソフォクレスさんからは、「必要以上にお客様をガイドしようとするのではなく、作品に身をゆだねるような形で、なおかつ自分自身に問いかけるように、宇宙を司る、私たちの目には見えないもっと大きなものに語りかけてほしい」というアドバイスをいただきました。声のトーンには非常に気を使いました。抑揚をつけすぎると本当にプロのナレーターの方のナレーションになってしまいますし、かといって感情を露にしすぎると表現がオーバーになりますし。無感情に淡々と読むのでもなくという、各場面で、微妙な表現が求められましたので、緊張しました。何よりもテレンス・マリック監督が伝えようとしている一番のメッセージに自分自身がどれだけ共鳴できるかという、与えられた「語り」のセリフが少ない分、その少ないセリフに込める、余白の部分、行間の部分を大切に表現するよう努めました。
・ファンへのメッセージ
科学の裏付けとともに撮影された圧倒的な美しい映像に素晴らしい音楽がのり、本当に何回観ても飽きない作品です。もし時間さえあれば毎日映画館に通って暗がりの中で観ていたいです。是非たくさんの方にご覧いただけたら嬉しいです。