実写映画『亜人』の追加キャストが発表された。
桜井画門の同名漫画をもとにした同作は、不死身の新人類「亜人」を巡る物語を描いた作品。昨年には3部作の劇場版アニメも公開された。2017年の東京を舞台にした実写映画版では、交通事故で死亡したにもかかわらず蘇生を果たし、自身が亜人であることが発覚した研修医の永井圭を主人公に、国家権力や最強の亜人との戦いを描く。圭役を佐藤健が演じ、監督を本広克行が務めることがこれまで発表されていた。
発表された追加キャストは、圭と対峙する亜人のテロリスト・佐藤役の綾野剛、佐藤と行動を共にする亜人・田中功次役の城田優、奥山役の千葉雄大、高橋役の山田裕貴、厚生労働省・亜人管理委員会の戸崎優役の玉山鉄二、戸崎の秘書兼ボディーガードを務める下村泉役の川栄李奈、圭の妹・慧理子役の浜辺美波。
綾野は元軍隊上がりという佐藤のキャラクターを意識し、撮影の4か月前から食事コントロールと筋肉トレーニングを実施。髪を銀色に染めて撮影に臨んだ。佐藤健は綾野が漫画好きであることに触れ、「漫画の実写化の難しさを重々わかっている人だったので、佐藤という役をやることの重さや、亜人という漫画の実写化について同じものをシェアできていて、同じ目線でいれたので、あとは必死にやるだけで、もちろん俳優としてもすごく信頼しているので、そっちは任せた、こっちはこっちでやるという安心感がありました」とコメントしている。
亜人であることを隠して官僚・戸崎に仕える泉役を演じる川栄は、「原作の泉ちゃんのファンはたくさんいらっしゃるので、恰好からでも近づけたらなという思いで髪をバッサリ切りました。玉山さん演じる戸崎さんのボディーガードという役でしたが、守れたと思います…守ったつもりです」とコメント。また川栄は身長約40センチ差の城田優とアクションシーンに挑戦しており、「撮影自体は2日間ですが、1週間かのように長く感じました」と撮影の感想を明かしている。
撮影は1月10日にクランクアップを迎えており、完成は夏を予定。9月30日から全国東宝系で公開される。
■綾野剛のコメント
本広監督と佐藤健君、アクション監督の大内さん、他の共演者や各部署の方々の力を借りて、佐藤という魅力的なキャラクターをキャラクターで終わらせるのではなくて、きちんと人物にすることができましたし、それが実写の意味だと思います。
原作とは年齢的な部分でも、ある種枯渇している部分でも、僕とは差がありますが、この映画の中で生きている佐藤はきちんと原作からいただいたニュアンスを非常に大切にしました。
ハンチング等のアイテムもそうですが、進化した佐藤を実写の中で表現するべく、肉体作りもコミュニケーションやあらゆることを惜しまず、本当に魅力的な、ただ怖いだけではなく、妙にチャーミングさと軽快さもある新しい佐藤の造形を「亜人」という原作に敬意を払いながら作ることができました。
肉体的にも非常に追い込めて、ものすごく僕自身も良い状態で佐藤を生きることが出来た自負があるので、撮影もちゃんと毎日毎日一つずつきちんとやりきっているという実感があります。
原作のイメージや印象はできればまんま一緒にしたいくらい大切にしたいと考えています。
そこに向かって全力で努力することは当然だと思っているので、それは原作者に対して・原作ファンの皆様に対しての敬意でもあります。
亜人は、ただ死なないという人間であって、決して超人ではないですし、いわゆるスーパーヒーローでもなく、空を飛べるわけでもない。肉体的には体力も含めて、人間と変わらない。ただ佐藤が過去に行っていたことは、原作に基づいて、軍隊上がりの彼が身に着けた筋肉というのはきちんと表現しなきゃいけないので、裸になるのが1シーンでも、この作品に入る4ヵ月半前から体作りを始めました。スタッフからは「CGみたいだね」と言われましたが、本広監督が僕の上半身裸の写真を携帯の待ち受けにしてくれていて(笑)それだけ頑張ったことを応援してくれているかのようで、嬉しかったです。ああいうことを素でやってしまう監督に、改めて魅力を感じました。
(佐藤)健君とは、久々の共演ということもあって僕自身非常に嬉しかったですし、さらにいいものを一緒に作ろうよという思いも強かったので、本当に良いタッグを組めて、本広監督に向かっていくことができたのかなと、健君には非常に感謝しています。
■玉山鉄二のコメント
どう写っているかは、僕も不安ですが…僕が感じた原作の戸崎の男っぽい、かっこいい部分と、ちょっとセクシーな部分、クレバーな部分をバランス取りながら色々と試行錯誤して考えて表現したつもりです。ただ、どうしてもこの作品においての戸崎というキャラクターは、原作ファンにとって特別で、とても人気があるキャラクターなので、そのプレッシャーに負けないようにやらなきゃいけないと思っていました。
本広監督とも、泉との関係性や、戸崎のキャラクターとしてのツンデレや、ちょっとS強めな感じは話し合いながら、詰めて演じました。少し恥ずかしいと思いながらも、恥ずかしがらずに、僕が感じた戸崎のSな部分は、増長してやらせて頂きました。
主演の佐藤健さんは、本当に繊細にこの作品の事や自分のキャラクターを考えていらっしゃって、些細な事も監督と相談したり、スタッフとちょっと会話して、自分の中の溝を埋めていったりといい意味での神経質というか。ちゃんと役と向き合っている感じというのを沸々と感じる役者さんだなと僕は感じました。