ルノーF1チームは2017年、ファクトリーで働くスタッフの採用活動を控える予定であり、パワーユニット部門の活動規模を縮小するとみられている。
ルノーは16年シーズン、ワークスチームとして厳しい復帰初年度を耐えつつ、エンストンの元ロータス本拠地の再構築とスタッフの入れ替えに重点的に取り組んだため、コンストラクターズランキング9位と苦戦した。
エンストンで行われた大規模なリストラは、フランスのヴィリー・シャティヨンにあるパワーユニット部門本社でも行われ、これからチームは、新しい体制をうまく機能させるために時間を要するだろうと、ルノーF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは述べた。
「17年はさらなる統合の年となるだろう。ヴィリー(シャティヨン)では、量より質に焦点をあてている」と彼は言う。
「実際、我々はチームの運営規模を少し縮小するかもしれない。シャシー開発の方では100名程度を採用したので、だいたい20%の人員増になる。これは多いと言えるだろう」
「我々は採用活動のペースを抑えようとしており、全員が確実に新しい環境に慣れるようにしたいと考えている」
「私は適任な各部門長を確保することにより専念することになるが、各組織のなかで上にいる人ほど、契約の関係もあり採用するのに時間がかかる」
「我々には17年シーズン中に加わる予定の人員が何人かいる」
アビデブールが言う加入予定の人員のなかには、ルノーの空力部門の新たな責任者として7月3日にレッドブルから移籍するピート・マチンが含まれる。
■17年は大幅な成功を期待せず。20年までにはタイトル争いを
ルノーは、17年に改良版のパワーユニットとERSを導入するが、アビテブールはそれらが、メルセデスに匹敵するパフォーマンスを発揮できる可能性があると考えている。
「それはまったく疑う余地がないし、将来は彼らを凌ぐ可能性もある」と彼は言った。
それが王者メルセデスを打ち負かすための戦いに挑むレッドブルに希望を与える一方で、ルノーF1チームとしては、18年には表彰台の常連となるよう進歩を遂げ、20年までにはタイトル争いに挑戦するという希望を持っている。
アビテブールは、現在ルノーには他の上位チームほどの予算が無く、17年はウイリアムズ、フォース・インディア、トロロッソといった中堅チームとの戦いになるだろうと認めた。
「我々は上位3チームは別として、その他のチームよりは豊富な予算を持つことになるだろう」とアビテブールは語った。
「だが、マクラーレン・ホンダは少々未知数だ。彼らの財政状況と活動計画が私には明確ではない」
「我々はレースでウイリアムズ、フォース・インディア、トロロッソに対抗する力がある。だから目標はそれらのチームと肩を並べ、シーズンの間に彼らを追い越すことだ」
「我々の開発力はそれらのチームより強力であると期待している。大規模チームについては、我々がまとめた5年間計画の戦略では、近い将来追加予算が降り、彼らをターゲットにできるようになる好循環が始まるだろう」と期待を述べた。