WRC世界ラリー選手権に参戦するヒュンダイを率いるミシェル・ナンダンは、開幕2戦でティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が犯したミスは挽回不可能だとの考えを示した。
ヌービルは1月に行われた第1戦モンテカルロ、先週末の第2戦スウェーデンのどちらでも、序盤から総合首位を走るペースをみせていた。
しかし、ヌービルはモンテカルロでは低速コーナーでラインがワイドになり、道路脇の障害物に接触して、サスペンションを破損。スウェーデンではタイヤウォールにヒットしてステアリングを破損させてしまい、どちらもデイリタイアしている。
ナンダンは、ラリー・モンテカルロでのミスには理解を示しているものの、ラリー・スウェーデンでのクラッシュについては苛立ちを隠そうとしない。
「マシンが充分な働きをしているにもかかわらず、大量ポイントを逃している事態には苛立ちしか感じない」とナンダン。
「マシンには戦闘力があるのに、自分たちのミスでポイントを取りこぼしているんだからね」
「モンテカルロでの1件には納得している。あの大会では、ああいったクラッシュが起きてしまうものだ。しかし、スウェーデンでのクラッシュはそうはいかない。接触は小さなものだったが、代償が大きすぎた」
「スウェーデンでのクラッシュは避けられるものだった。たった2キロしかないスーパースペシャルステージではなおさらだ。ヌービルにはミスから多くのことを学んで貰いたいし、次の(第3戦)メキシコに集中して欲しい」
「まだシーズンは始まったばかりだが、シーズン中に失ったポイントを取り戻すことは不可能だと思う。それでも、今は気持ちを切り替えて、次の戦いに向けた準備を進めていく」
仮にヌービルがクラッシュせず、両イベントを走りきっていれば、ランキング首位につけていた可能性が高い。
しかし、ヌービルは2戦を終えてわずか8点しか獲得できておらず、ランキング8位。トップのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)とは40点差となっている。
また、ヒュンダイはチームランキングでトップのMスポーツとは33点差だ。
2戦連続で大量ポイントを逃したヌービルは「モンテカルロの二の舞いにならないよう、デイ3は手堅い戦略で挑んだ」とラリー・スウェーデンを振り返る。
「しかし、最終的にはモンテカルロと同じ状況に陥ってしまった。つまらないミスでポジションを失ってしまい、チーム全員に申し訳なく思っているよ」
「チャンピオン争いを考えても、今回のクラッシュは大きな痛手だ」
「ただ、不運にあうまで、僕のラリー・スウェーデンへのアプローチ法は正しかったと思っている。僕たちのポテンシャルが高いことも分かったから、今後も集中しながら前向きに戦っていく」