FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、年々積雪量が減っているラリー・スウェーデンへの懸念を表明。今後も同イベントがWRC世界ラリー選手権の1戦に留まるには、まとまった雪が降っている場所を探し続ける必要があると語った。
2016年に行われたラリー・スウェーデンは深刻な雪不足に直面。予定されていた21SSのうち、9SSがキャンセルされる事態となった。
先週末に行われた17年のラリー・スウェーデンは積雪量も多く、地面も凍結しており、フルスノーイベントらしい姿となっていた。
しかし、マホネンはコースサイドに充分な量の雪壁がなかったと指摘し、「このイベントには、もっと多くの雪が必要だ」と語った。
「積雪量が多いほうが理想的、と言っているわけではない。まとまった雪が降っていなければならないんだ」
「雪が降り積もれば、コースサイドには高い雪壁ができる。そうするとイベントの安全性が高まることになる」
「ラリー・スウェーデンは、ラリー・フィンランドやラリー・ポーランドと同様、高速で争われる。そのため、我々には充分な雪と凍結した路面、そして雪壁の3つが必要になる」
また、マホネンはここ数年、地元主催者が“ハイリスクな”候補地選びをしているとも述べている。
「(一定の積雪があった)今年は運に恵まれたとも言える。しかし、FIAとWRCプロモーターは『この大会はフルスノーラリーである』という共通認識を持っているんだ」
「もちろん、いい主催者に恵まれていると思っているが、状況を正していく必要はある」
ラリー・スウェーデンの競技長を務めるクリスティーナ・ルンドクビストは、18年大会からのルート変更の可能性に向けて、今後数カ月の間に彼女が率いる調査団が作業を開始するとした。
「どこも天候を予測するのが難しくなってきている」とルンドクビスト。
「例えば、今年の開催地から北上したとしても、気温が高く雪が積もっていない場所さえある。単純に緯度の問題ではないの」
「今後は標高についても考慮に入れていく必要があるでしょう」
ラリー・スウェーデンでは、ノルウェーとの国境付近で標高の高いステージが組み込まれており、そこでは安定した積雪を観測。そのためルンドクビストは今後、ノルウェーでのステージを増やす可能性も前向きに検討すると述べている。