今や当たり前なものとなったインターネット。日々SNSやネットサーフィンなどで、インターネットのお世話になっている人も多いことだろう。(文:松本ミゾレ)
かく言う僕もその1人だ。ネットショッピングのおかげで、家から出ることなく、欲しいものを買い集めることができている(ただし、死ぬほどダンボールが溜まる)。
こんな便利なツールだからこそ、上手に使いたいんだけど、現実にはそう理想通りには行ってない。ネットの世界って、嫉妬、中傷、いがみ合いのオンパレードだ。画面越しに攻撃して、叩いて、毒を吐く。こういう風潮はもはや当たり前のものになってきている。
以前、「日本のネットはなぜこんなに陰湿?」というコラムに書いたこともあったが、リリース後、即座に名指しで「日本のネットが他の国と比べて陰湿であるという証拠も出せないコイツはクソ」と書かれてしまった。僕は別に他国と比較しようとしてないのに。
このように現在のネット社会は、何かを発信するだけで中傷がセットになりやすい。
マウントの取り合い、承認欲求のぶつけ合い、そのくせ権威主義
先日も2ちゃんねるに「最近のインターネッツ、心に余裕がない人増えすぎ問題」というスレッドが立てられていた。
いつの間に、インターネットはギスギスする妙な環境になってしまったのか。そしてなぜ、利用者の多くがその環境になじんでいったのか。これを知るためのヒントが挙がっていたので、いくつか紹介していきたい。
「あらゆる話題でとにかくマウントとりたがる」
「とにかく何かを見下してなきゃ精神安定しない人が増えたんかなと思う 2ちゃんに限らずSNSで他人の旅行とか見て嫉妬する人多いらしいし 自分より下の存在を確認してほっとしたいんやろ」
2ちゃんねるもスレッドによっては地獄みたいな様相になっていることもあるけど、最近だとSNSもなかなかパンチが効いた状況になっている。
自分の私生活を紹介する体で所持品やファッションを軽く自慢する人間。その様を取り上げて「はいマウントありがとうございます」と中傷する人間。そんな揚げ足取りな人々を攻撃する人間。立場は様々だけど、それぞれが結局毒を吐いている姿は結構目にする。
また、Facebookはともかく、ツイッターなんかはせっかく匿名でもOKな世界なのに、結局フォロワー数が多い人間のつぶやきには、無条件に賛同してしまっている人も目に付く。
どう考えても「それ間違ってるじゃん」という意見が、当たり前のように肯定されてることも多々あるし、そういうのを許せない人が噛み付くと、大勢から返り討ちに遭うこともしばしば。なかなかの地獄だ。
僕は性格が悪いので、ああいうのを見ると「なんか、イヤな形で権威主義的な世界にしている人たちだなぁ」と思ってしまう。
ネット上のコミュニケーションが向上することはあるのか
インターネットが普及し不特定多数の人との交流が容易になった。その結果、一人一人に十分な配慮をする必要が薄まって、中傷をしたり、罵倒合戦をする機会は増えている。
それはそれで、インターネットを介した他人との関係のフォーマットだと考えると、「まあしょうがないか」という気になってしまう部分もある。
これは個人的な意見なんだけど、心に余裕がないからこそ、インターネットをして気を紛らわすのではないだろうか。本当に満たされている人は、わざわざドブを覗こうという気持ちになんかならない。
人間って、普段は出来るだけ合理的に物事を考えようとするものだけど、行き詰ったり、追い詰められると、割に合わないことに走ってしまうところもある。理屈では説明がつかないのが、面白いところであり、悲しいところだったりするのだ。
本当は自分にはもっと真面目に取り組むことがあるし、それを本人も分かっているのに、気持ちに余裕がなくてネットをしてしまう。そういう人たちばかりだから、今のような状況になったんだろう。
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