ワタベウェディングが行った「家事に関する意識調査」によると、既婚女性の半数以上が「家事を行うことでお金を得たい」と回答したという。それはそうだろう。毎日やっている家事労働でお金がもらえるものなら、やりがいはもちろん、やり方すら変わってくるはずだ。
調査は、2016年12月21日にインターネットを通じて行われ、20~40代の既婚男女402人(男性:201人、女性201人)から回答を得た。1月31日の「愛妻の日」にちなんで1月26日に発表されている。「専業主婦(主夫)になりたいですか?」という質問もあり、回答は興味深いものだった。(文:okei)
40代男性は家事に賃金が発生するのはおかしい、と考えている?
「家事を行うことでお金を得たいと思いますか?」という質問では、性別と年代別で結果が違う。女性は男性の約1.6倍となる58.2%が「はい」と回答。年代別では、男女共に30代(男性43.3%、女性62.7%)が、最も家事の対価としてお金をもらいたい考えであることがわかった。
また、「いいえ」と答えた割合が最も高い(80.6%)のが40代男性だ。お金を貰いたくないというより、「賃金が発生するなんておかしい」という考えが根強いのではないだろうか。
「日常の役割分担」についても訊いているが、家事20項目中、女性が6割以上担当するものが15項目に上っている。さらに、女性の82.1%が「毎日料理をしている」と回答する一方で、男性は料理を「ほぼしない」が約4割だった。相変わらず、女性の家事負担割合は大きいようだ。
数年前から、「主婦の仕事は年収換算すると数百万円」などと話題にのぼることがあるが、現実的に賃金が発生するはずもないので、個人的には不毛な議論のようにも感じる。ただ、そこには家事の重大さを認識しようという意図があるらしく、こうした結果をみると具体的な金額を出す意味はあるのかもしれない。
40代女性の6割超が「専業主婦になりたい」
そんな中、注目なのは「男性の約4人に1人、女性の半数以上が『専業主婦(主夫)になりたい』ことが判明!」という項目である。
「専業主婦(主夫)になりたいですか?」と尋ねたところ、男性の4人に一人はなりたいと回答していた。男性全体の7割以上は「いいえ」なのだが、「はい」と答えたのは40代では20.9%、20~30代で26.9%だった。また、女性も全体の半数以上となる54.2%が「専業主婦になりたい」と回答し、中でも40代女性は64.2%が「専業主婦になりたい」と考えていることがわかった。
「なりたい」のと「実際になる」では違うわけで、内閣府の調査を見ても、40代既婚女性のおよそ7割が働いている(「配偶関係・年齢階級別女性の労働力率の推移」より)のが現状だ。
家事には育児や介護も含まれ、年齢や健康状態によっても負担が大きく変わってくるため、専業主婦(主夫)の大変さがどれだけのものか、一概には言えない。しかしこの結果は、男女とも仕事に疲れており、家でゆっくり家事でもやって過ごしたい、という気持ちの表れのように感じられた。