吉永小百合主演の映画『北の桜守』が2018年春に全国で公開される。
『北の桜守』は、いずれも吉永が主演を務めた2005年公開の『北の零年』、2012年公開の『北のカナリアたち』に続く「北の三部作」最終章にあたる作品。北海道・網走に暮らす年老いた母と、大人になった息子の15年ぶりの再会を描く。
吉永が演じるのは、戦争によるPTSDの後遺症に陥り、再会した息子・修二郎に迷惑をかけたくないという想いから姿を消す母・てつ役。アメリカで成功し、てつと札幌で暮らす決意を固める修二郎役を堺雅人が演じる。吉永と堺が実写作品で共演するのは今回が初。また吉永にとって同作は120本目の出演作品なるという。
監督は『おくりびと』の滝田洋二郎。撮影は2月16日からスタートし、網走、東京都内、稚内で行なわれる予定だ。
■吉永小百合のコメント
・撮影への意気込み
夢のようです。「北の三部作」シリーズのフィナーレを北海道で撮影できるなんて。
しっかり力を出し切り、魅力的な作品をつくりたいです。
・北海道での撮影について
冬はかなり厳しいロケになるでしょう。
踏み堪えて、強い母を演じ、春を待ちます。
・堺雅人との共演について
今回、堺さんとは究極の親子になりますが、頼もしい息子に、思いっ切りぶつかって行きたいですね!
・滝田洋二郎監督の印象
去年の2月、滝田監督とオホーツク海の流氷を見に行き、作品づくりが始まりました。
翌日私は、雪の坂道で滑って転んで骨折……。監督は、落ち込む私を明るく励まして下さいました。
秋のサハリンへの旅も御一緒して、思いを共有し、いよいよ撮影開始です。
■堺雅人のコメント
・吉永小百合との共演について
前回ご一緒したブッダでは慈母そのものといったお役だったのですが、今回はより生々しく、より悲しい母子関係になるのではないかと楽しみにしてます。
・『壬生義士伝』以来となる滝田洋二郎監督作品への出演について
『壬生義士伝』では好きなようにのびのびと演じさせていただきました。今回は少しでも成長した姿をみせれるようにがんばりたいです。
・同作への意気込み
すばらしい皆様とのお仕事に身が引き締まる思いです。
■滝田洋二郎監督のコメント
・吉永小百合の120本目の出演作でメガホンを取る意気込みについて
映画人として、吉永小百合さんとご一緒できるという特別な喜びと緊張と期待に満ちて、準備を進めています。119作もの映画を背負ってこられた吉永さんのオーラとしっかりと向き合い、丁寧で大胆・生き生きと直感あふれる現場で、想像を超える素敵な瞬間に立ち会えることを楽しみに、自分らしく、吉永さん120作目に臨みたいと思っております。
・どのような親子像を描きたいか
美しい桜・戦争・引き揚げ・流氷・家族・思い出・あの人・・・・・。
戦後の向かい風の人生を懸命に生き抜き老いてゆく母と、その背中を見ながら成功を手に入れた息子が、かつて、母子で封印した禁断の扉を開く最後の旅立ちを、吉永さん堺さんでなければならない感動の物語として、現代にも強い共感を覚えてもらえる作品にしたい。