今季からスタートしたウインターリーグ制のTCRミドルイースト第2戦がアブダビ・ヤス・マリーナ・サーキットで開催され、昨年度のTCRドイツ王者ジョシュ・ファイルズがホンダ・シビック・タイプRで2連勝。しかし、レース後に審議対象となっている。
前戦ドバイのオープニング・ラウンドで大量5台のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを送り込んだリキモリ・チーム・エングストラーからは、それぞれ勝利を分け合ったルカ・エングストラーとブレンダン・グドヴィッチが引き続きエントリー。
しかし、今回のアブダビではサクセスバラストの影響もあり予選から振るわず。ポールポジションを奪ったのは、ドバイに本拠を置き、今回がシリーズ初参戦となったLap57モータースポーツのシビックで、昨年のTCRドイツでターゲット・コンペティションに所属してタイトルを獲得したイギリス人のファイルズが、その速さを遺憾なく発揮した。
現地10日、金曜に開催されたレース1では、スタートでポールシッターのシビックがまさかの失速。その間隙を突いて新型アルファロメオ・ジュリエッタTCRのステアリングを握ったダビド・カヤイアが先頭に立った。
このミュルザンヌ・レーシングのジュリエッタTCRはゴルフGTI TCRやシビックといったTCR主力モデルに引けを取らない安定した速さをみせ、11周のレースで8周のリードラップを記録。しかし、9周目に2番手ファイルズが意地をみせ、お互いに接触しながらも首位に浮上。そのままの順位でチェッカーを受けた。
シビック、ジュリエッタTCRに続き、3位表彰台に上がったのは、イタリアのトップランが製作したスバルWRX STI TCRを初めてドライブしたティーンエイジャー、ジャコモ・アルトで、チームとWRXにとってもうれしいTCRシリーズ初表彰台となった。
続く土曜のレース2では、ファイルズがスタートを決め1コーナーでエングストラーを抑えきると、その後は一人旅に。見事2連勝を決め、シリーズ争いでもランキング3位に急浮上する。
しかし、ファイルズ操るシビックは、2位以下のジュリエッタTCRやゴルフGTI TCR勢に対し、1周あたり1秒以上のリードを築いたことで、ライバルからは「あまりに速すぎる」と嫌疑が浮上。
これにより、TCRテクニカル部門は審議対象として、シビックからECUデータをダウンロードしており、リザルトは暫定の状態となっている。
TCRミドルイーストの次戦は3月9~10日にバーレーンで開催。上述のとおり、ウインターリーグ制を採用していることもあり、これが最終戦となる。