WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンで優勝したヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、マシン開発にフォルクスワーゲンで培った経験を役立てたとコメント。また早い段階でトヨタへの加入を決断したことが第2戦での勝利に繋がったと語った。
当初、WRC関係者のなかでは18年ぶりに復帰を果たしたトヨタが上位争いに加わるのはシーズン後半になるとの見方が強かったが、その予想を裏切ってトヨタは第1戦モンテカルロで2位表彰台を獲得。
そして先週末の第2戦では後続に30秒近い大差をつけて、表彰台の頂点を奪ってみせた。
昨年まで所属していたフォルクスワーゲンのシリーズ撤退により、シーズン終盤になって急きょシート探しを強いられたラトバラは、マシンのホモロゲーション取得期限が迫った12月第1週にトヨタへの加入を決めている。
「もしチーム加入が2週間遅れていたら、(第2戦で)勝利することはできなかっただろう」とラトバラ。
「ホモロゲーション取得へ向け、ほとんどの作業が完了しつつある状況だったが、14日間という限られた時間で僕の意見を加えてもらったんだ」
「特に力を入れたのは、ギヤレシオとディファレンシャルのセットアップだ。マシンのパフォーマンスを向上させるために鍵となる要素だったからね。なんとか(期限に)間に合わせることができたよ」
また、ラトバラはフォルクスワーゲンに在籍していた4年間で培った経験も、いい影響を及ぼしたと明かした。
「初めてヤリスWRCをテストした時から、ポテンシャルが高いことは分かった。ただ、ベースとなるセットアップが僕が理想とする状態ではなかったし、(エンジン)マッピングも最適ではなかった」
「だから、僕が(フォルクスワーゲン・)ポロR WRCから学んだことを開発に活かして、パフォーマンスを向上させようと考えたんだ」
「チームのみんなも素早く対応してくれた。いい働きをしてくれたよ」
「最高の仕事だったとしか表現できないし、僕たちは最高のチームだと確信している」