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欧州に挑むホンダの若手たち。牧野、目標に向け「最低でもランキング2位に」

2017年02月13日 21:02  AUTOSPORT web

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ヨーロッパに挑戦する松下(左)、福住(中)、そして牧野(右)
ホンダは2月13日、2017年のモータースポーツ参戦体制について発表したが、このなかで2017年にヨーロッパのフォーミュラに挑む3人のドライバーが登壇した。

 3人が目指すのは、狭き門であるF1のシート。ホンダはF1で活躍できる若手を育成するべく、ホンダ・フォーミュラドリーム・プロジェクト(HFDP)を推進しており、2017年はこのプロジェクトのもと、松下信治が3年目のGP2に、福住仁嶺が2年目のGP3に挑む。

「3年目のシーズンとなりますが、今年は勝負の年だと思っています。自分自身にカツを入れて全力で戦い、取りこぼしないようにしていきたいと思います」と語るのは、ARTグランプリから王座獲得を目指す松下。また、福住も「今年も精一杯がんばります」と意気込みを語った。

 一方、新たにFIAヨーロピアンF3に挑むことになったのは、1年目となる2015年のFIA-F4でランキング2位を獲得し、16年には全日本F3に挑戦。ランキング5位を獲得した牧野任祐だ。スーパーGTでは終盤2ラウンドでドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTをドライブし、印象的な活躍をみせている。

 そんな牧野だが、2016年にヨーロピアンF3でチームランキング2位を獲得したハイテックGPから参戦が決まった。すでにヨーロッパでは牧野のハイテックGP加入は報じられており、発表会後牧野に話を聞くと「みんな知っていたかもしれませんが(笑)、ようやく正式に発表されて良かったです」と笑った。

 今後牧野は渡欧し、松下や福住同様ヨーロッパで生活することになる。「ヨーロッパにはホームステイしていたことはあるのですが、ひとり暮らししたことはないので、そこは少し不安です。料理できないので、自炊が大問題ですね(苦笑)」という。

 過去に多くのF1ドライバーを輩出しているヨーロピアンF3は、今も激戦区。「映像も見ていますが、やはり向こうはレースも激しそうなので、当たり負けしないようにしなければいけないですし、ナメられたらダメだと思っています。そのあたりはふだんから心がけたいです」と牧野。

「レースもやってみなければ分からない部分もありますが、そのあたりは少しずつ様子を見ながらいきたいと思います。コンスタントにポイントを獲ることが大事だと思っているので、落とさないようにしたいですね」

 近年はF1をドライブするために必要なスーパーライセンスの取得には、過去3年間のシリーズにおけるポイントも重要になってくる(オートスポーツNo.1449参照)が、牧野は現在ホンダのドライバーの中ではトップの11ポイントを得ている。もし17年のヨーロピアンF3でランキング2位以上になれば、40ポイントで晴れてスーパーライセンス取得が可能だ。松下も同様にランキング3位以上でスーパーライセンスを得られる。

「目標はF1ワールドチャンピオン」と公言する牧野は「(ヨーロピアンF3参戦で)F1という目標に一歩近づいたと思います」と言う。

「シリーズランキング2位を得ることができればスーパーライセンスも現実的に獲ることができる。チャンピオンを目指して、最低でもランキング2位に入れるようにしたいですね」