2月12日、WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンは競技最終日を迎え、総合首位に立っていたTOYOTA GAZOO Racingのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、後続に30秒近い大差をつけて優勝。トヨタに復帰2戦目で勝利をもたらした。
ラリー・スウェーデン最終日のデイ4は、サービスパークが設けられたトーシュビュー北部でSS16~17が、トーシュビュー市内で最終SS18が行われた。
ラトバラは、前日の最終ステージでティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がクラッシュしたことで総合首位に浮上。3.8秒と僅差でオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)を従え、デイ4に臨む。
そのラトバラは接戦の優勝争いにもかかわらず、落ち着いた走りで、この日行われた3SSすべてを制覇。タナクがオーバーステアに苦しんでペースを上げられなかったこともあり、最終的に29.2秒もの大差で優勝を飾った。
この結果、トヨタは1999年のWRC第11戦中国以来となる勝利を、復帰2戦目で獲得。また、ラトバラにとっては2016年第3戦メキシコ以来となる通算17度目の勝利を手にした。
加えて、ラトバラはドライバーズランキングで4点差のトップに浮上。チームランキングでは、トヨタがトップのMスポーツに20点差の2番手につけた。
チームメイトのユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)は、10日のデイ2でクラッシュがあったものの、総合23位でフィニッシュしている。
チームを率いるトミ・マキネンは「今の気持ちを言葉にするのは簡単ではない」と語る。
「第1戦モンテカルロでの総合2位にも驚いたが、今回の優勝は予想をはるかに超えたリザルトだ」
「もちろんラッキーな面もあったが、ヤリ-マティ(・ラトバラ)と(コドライバーの)ミーカ(・アンティラ)の素晴らしい戦いと、それを支えた日本、フィンランド、ドイツのすべてのスタッフのチームワークと努力があったからこそ、優勝を成し遂げられたのだと思う」
「我々を信頼してくれた(トヨタ自動車の)豊田章男社長をはじめとする、皆さんに感謝する。今日は我々にとって忘れがたい特別な日になったが、勝利に浮かれることなく、今後も開発に力を注ぎ続けるよ」
勝利したラトバラは「新しいチーム、そして新しいマシンで臨んだWRC2戦目で優勝することができて、本当に嬉しく思う」とコメント。
また、チーム総代表も務めるトヨタの豊田章男社長は「“負け嫌い”のTOYOTA GAZOO Racingですから、私も、その日が来ることを心の底から願っていました。しかし、こんなにも早くその瞬間が訪れることは、私の想像を超えておりました」と喜びのコメントを発表している。
次戦のWRC第3戦は、南米メキシコで3月9~12日に開催。シーズン最初のグラベル(舗装路)ラリーで、チームは高い気温と標高とも戦うことになる。