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客室乗務員が機内で人身売買途中の少女を救う(米)

2017年02月11日 17:23  Techinsight Japan

Techinsight Japan

人身売買を未然に防いだCA(出典:http://www.wtsp.com)
世界中で子供たちが犠牲になっている人身売買を阻止すべく、昨年アメリカの移民税関捜査局は2,000人の人身売買に関わった人物の逮捕と、400人の犠牲者の身分を特定した。しかし、人身売買犯罪の検挙に努めるのは警察や税関捜査局員だけではない。国境を越えた人身売買を阻止するために、客室乗務員(以下CA)にも訓練が行われているという。このほど2011年に起きた「CAが人身売買を未然に防いだ」というニュースが米『10 News』ら複数のメディアで伝えられている。

2011年、シアトルからサンフランシスコへ向かうアラスカ航空機のCAを務めていたシェリア・フレデリックさん(49歳)は、ある2人の乗客に目を留めた。

座席には14~15歳ぐらいのベトついたブロンドヘアの少女が、身なりのいい年上の男と隣同士で座っていた。フレデリックさんは2人の乗客のあまりにも違う身なりを見て直感的に「この2人は何かおかしい」と感じたという。

そこで、フレデリックさんは男に話しかけた。ところが男は警戒心を露わにした様子だったため今度は少女に話しかけたが、少女はフレデリックさんの質問には一切答えようとはせず代わりに男が答えるのみ。この様子を見て、ますますフレデリックさんの心の警告音は高鳴ったという。

自分と目も合わせようとしない少女と男の関係を不審に思ったフレデリックさんは、少女にトイレに行くようにそっと耳打ちした。彼女のためにトイレの鏡の上にメモを置いておいたところ、少女が「助けて」とメモに残したため、フレデリックさんはパイロットに事情を報告。通報を受けた警察はサンフランシスコ空港のターミナルでこの少女を無事に保護することができた。

10年間CAとして勤めているフレデリックさんは、2009年に元CAのナンシー・リヴァードさんによって設立された団体「Airline Ambassadors(航空大使)」で、国を超えて行われている人身売買の犠牲者を見抜くための特別な訓練を受けた経験がある。その訓練とは、機内で誰かにコントロールされているような態度を取っている乗客がいたり、話しかけても目も合わせず体にアザや暴行の痕がある乗客を見た場合には人身売買を疑うようにといったものだ。

そうした訓練のおかげで、一人の少女を窮地から救うことができたフレデリックさん。少女に自分の電話番号を紙に書いて渡したところ数週間後に連絡があり、それ以降も数回少女と連絡を取り合ったそうだ。現在、その少女はカレッジに通っているという。

出典:http://www.wtsp.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)