フェラーリの新F1ウエットタイヤのテスト2日目がキャンセルされることになった。初日に担当したセバスチャン・ベッテルがクラッシュし、マシンのダメージを修復できなかったためだ。
2017年F1にピレリはワイドなタイヤを導入することになっており、9日と10日にフェラーリがウエットタイヤのテストを行う予定だった。
人工的にウエットコンディションにしたフィオラノのコースでテストが行われたが、初日、ベッテルがモディファイしたSF15-Tで走行中、左コーナーでコースから飛び出し、バリアに突っ込んだ。ベッテルはコクピット内に肘をぶつけて軽い打撲を負ったが、幸い大きなけがはなかった。しかしマシンにダメージがあったため、午後の残りの走行は中止され、翌日に向けてマシンを修復できるかどうかチェックが行われていた。
しかしスペアパーツが足りないことが分かり、フェラーリは2日目のテストを断念した。10日に走行予定だったサードドライバーのアントニオ・ジョビナッツィは、F1マシンでの経験を積む機会を失うことになった。
フェラーリにとって今回のテストの目的は、新しいウエットタイヤの挙動、特にウォームアップの特性について、ピレリに貴重なフィードバックを提供することだった。
昨年の雨のブラジルGPで、ウエットタイヤの温まりの悪さに対して批判が高まり、今年は規則変更によりセーフティカー出動後のリスタートでスタンディングスタート方式が用いられることもあって、ピレリには改善が求められている。リスタートではタイヤブランケットが使用されず、タイヤが冷えた状態でスタートしなければならないためだ。
9日、フィオラノの路面温度は5度以下で、トリッキーなコンディションだったと言われている。