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マクラーレンの新ディレクター、「我々はル・マンに復帰するべき」

2017年02月10日 16:42  AUTOSPORT web

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1995年ル・マン24時間レースを制したマクラーレンF1 GTR
昨年12月にマクラーレン・テクノロジー・グループのエグゼクティブディレクターに就任したザック・ブラウンは、マクラーレンをル・マン24時間レースに復帰させたい考えを明らかにした。

 グループの新たなボスとなったブラウンは、マクラーレン・ブランドのプロモーションを担当している。

 その立場から広くブランドをアピールする場として1995年にJ.J.レート/ヤニック・ダルマス/関谷正徳組のマクラーレンF1 GTRが総合優勝を果たしたル・マンへの復帰は正しい選択だと考えているようだ。

「マクラーレンはル・マンで優勝を果たし、そのレースは我々の歴史に刻まれている」とブラウン。

「私の職務のひとつはマクラーレン・ブランドがどこでレースを行うかを決めることだ」

「ル・マンへの復帰は、我々が検討している(参戦)候補のひとつなんだ」

「個人的には、マクラーレンがル・マンを戦う姿を見たいと願っている。この思いを持っているのは私だけではないはずだ」

 ブラウンは、マクラーレンが復帰するとなれば「フォードやフェラーリ、ポルシェなどが競うLM-GTEクラスになるだろう」としたほか、最高峰のLMP1参戦も「(実現)不可能ではない」とコメント。ただし、仮に復帰が承認されても「実現には数年を要するだろう」としている。

 なお、ブラウンはル・マン復帰に関して、最終的な決断を下すのはマクラーレン・オートモーティブと、COOを務めるマイク・フルーウィットであると強調した。

 ブラウンはGTEマシンを開発することになった場合、社内で担当するか、2011年からGT3/GT4マシンを製造しているマクラーレンGTが担当するのかは分からないとしている。

 マクラーレンGTの代表であるアンドリュー・カーカルディは、ワークス勢が圧倒的有利のGTEクラス用にマシンを開発するには、マクラーレンの支援が必要不可欠だと強調。「自動車メーカーが激しくぶつかりあうGTEクラスはGT3、GT4のカスタマープログラムとは事情が異なる」と語った。

「議論はされているが、あまり話すことはできない。ただ我々も関与したいと願っている」

 マクラーレンGTでは、2012年にGTE規定に沿ったMP4-12C開発計画が承認されており、その翌年には作業もスタート。しかし、FIAとACOフランス西部自動車クラブによるFIA-GT3とGTEの規則統一に関する議論が決裂したため、計画は棚上げされてしまった。