WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンで初日トップに立ったヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、この1戦でトヨタのポジションが明確になるだろうと語った。
ラトバラは1月に行われた第1戦モンテカルロで、ライバルがトラブルで脱落するなか、危なげない走りで完走。チームの復帰初戦を総合2位という結果で飾った。
ラリー・モンテカルロは道幅が狭く曲がりくねったコース設定でドライバースキルが結果に大きく影響するイベントだったが、ラリー・スウェーデンはアクセル全開で走行する区間が多く、マシンポテンシャルが勝敗に影響する1戦だ。
ラトバラは「ラリー・スウェーデンは、より平均速度が高くジャンピングスポットが多いラリー・フィンランドのようだ」と表現する。
「エンジンパワーやトルクが鍵になってくるから、僕たちのパフォーマンスを測るには最適なラリーだよ」
「それにジャンピングスポットでは、エアロが機能しているかも判断できる」
チームを率いるトミ・マキネンは、開発期間中、雪上でのテストに重点を置いてきたと語っているが、ラトバラはスウェーデンで勝利できる可能性は高くないと考えているという。
「モンテカルロでの結果が、チーム全体の士気向上に繋がったことは間違いない。誰も予想していなかったような結果だったからね」
「そのあとから第2戦で優勝できるのではという質問を多く受けるようになった。個人的には高望みしすぎだと思っているよ」
「(優勝争いは)僕たちには、まだ早い。表彰台に登れるだけでも驚くべきことなんだからね」
■「どのドライバーも“コリンズ・クレスト”は注意深くいく」
また、ラトバラはラリー・スウェーデンの土曜日に行われるベルゴーセンでのステージに組み込まれたジャンプの名所“コリンズ・クレスト”で、17年型WRカーを操るドライバーたちは注意深い走りをするだろうとも述べている。
1995年大会にコリン・マクレーが大ジャンプを披露したことで有名になったコリンズ・クレスト。昨年にはWRC2に参戦したアイバント・ブリニルドセン(フォード・フィエスタR5)が史上最長距離となる45メートルの大ジャンプを演じている。
17年型WRカーはエンジン出力や空力性能が向上していることから、飛距離が更新されるとの見方もあるが、ラトバラは17年型WRカーを操るドライバーたちは全開でジャンプには挑まないだろうと語る。
「空中にいる間、空力パーツがどんな働きをするのか見当がつかないんだ」とラトバラ。
「特に1度目の走行では、注意深いアプローチをするだろうね。マシンの挙動が分かっているR5車両を使っているドライバーはアクセル全開だろうけどね」
「(17年型WRカーには)大きなリヤウイングがついていて、フロントが浮き気味になる。コリンズ・クレストへのアプローチでは浮き上がりを防ぐために、左足ブレーキを多用することになるだろう」