F1のオーナー、リバティ・メディアの新体制の下、スポーツ面を取り仕切っていくロス・ブラウンが、予算制限を導入することなくF1チームのパフォーマンス格差を縮められる方法を模索していくと語った。
新CEOのチェイス・キャリー、商業担当取締役のショーン・ブラッチスとの新たな3人体制でF1をリードしていくブラウンは、長期的視点でのアプローチを取り、2016年初めの予選フォーマット変更のような、場当たり的な決定は行わないと述べている。
ブラウンは、技術的な挑戦はF1にとって重要な要素だが、スポーツ面とのバランスをもっとうまく取ることができるはずだと考えている。
「F1のDNAは技術的挑戦という要素が大きい」とブラウンはBBC Radio 4のインタビューで語った。
「それは健全なことだし、マシンがそれぞれ異なっているべきであるという要望がある。ファンはそれぞれのチームの競争力が周期的に変わるところを見たいと考えている」
「でも今は(チームの格差が)少し大きすぎる。だから我々は調査をしてどのように制限をかけるかを検討しなければならない。なぜなら首位と最下位の差があまりにも大きく開いてしまっているからだ」
「すべての目標を挙げていくと、非常に長いリストになるだろうが、その中のひとつは、小規模チームが彼ら自身の力で活動できるようにすることだ」
「チームへの分配金の問題があり、一方ではレースに参加してまずまずのショーを披露するためにかかるコストという問題もある」
「チームへの分配金については、数年後に商業上の協定を見直す時期が来るまでは、あまりできることがない」
「しかしチームの金銭的負担については、商業権保有者はコストを抑えるための有効な提案を持っていると思う」
ブラウンは、自分にとって理想的なF1の姿は「いつもと少し異なる状況になると、突然後方のチームが勝つような世界」であるとして、今は勝てるチームがふたつかみっつしかないため、もっとたくさんのチームが優勝争いに加われるような状況を作りたいと述べた。
チーム間の予算の差が大きすぎるというブラウンは、予算制限を課す可能性を議論する必要はあると認める一方で、テクニカルレギュレーションの変更によって、少ない予算しか持たないチームでも戦えるような状況を作れるのではないかと考えている。
「技術革新によって得られる見返りが今より小さくなるよう、規則を発展させることができるかどうか、研究する必要がある」とブラウン。
「今は、技術革新による効果が非常に大きい。それをするだけの金銭的余裕があれば、大きく前進できる。つまり、金があればあるだけ、速いマシンができるわけだ。レギュレーションの面で、そういう傾向を抑えられるのかどうかを見ていく」