LCRホンダのカル・クラッチローは、先週マレーシアで行われたMotoGPオフィシャルテストの結果を受け、現時点でホンダは劣勢にあると語った。
ホンダは、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われたオフィシャルテストで新型エンジンをテストしたが、制御系のトラブルに苦しめられた。
このテストでは、ファクトリー契約者を含む3名のライダーが2016年シーズン後半に投入されたエンジンと、新型エンジンの比較が行われていた。
16年のMotoGPチャンピオン、マルク・マルケスは、今回のテストを総合3番手タイムで終えているほか、陣営としても、共通ECU(エンジン・コントロール・ユニット)導入初年度だった1年前よりポジションアップを果たしているが、クラッチローは理想とするポジションはさらに上だと語る。
「僕は(水曜日に)新型エンジンのテストに長い時間をかけた。印象はとてもポジティブだよ」とクラッチロー。
「(前日、火曜日の走行より)もっといい感触だった。マシンの乗り方が分かってきたんだと思う。僕とマルク(マルケス)、ダニ(ペドロサ)は3人とも、順調にタイムを縮めることができた。全員、いいリズムで走ることができている」
「今のところは満足しているけれど、やらなければいけないことは山積みだ。ライバルに比べ、ホンダはまだ遅れを取っていると思っているんだ」
「僕たちだけでなく、チームやホンダとしても同じ認識でいる。だから、テストでは、いい意味で驚きと喜びを感じたよ」
「次回のオフィシャルテストはより難しくなってくる。パーツ製作や事前にやるべきことの難易度も上がってくるからね。カタールでの最終テストでは、もっと難しくなってくるだろう」
セパンテスト中、エンジンブレーキのトラブルと格闘したクラッチローによれば、終盤にエンジン比較のため、旧スペックエンジンに切り替えたことで、性能の違いが浮き彫りになったという。
「エンジンブレーキには、多くの問題が残っている。充分な減速が行えないというだけで、少なくともコンマ3秒のロスが出ていた。マルクやダニも、自分たちのやり方で問題に対処していた。そういった面でもテストの結果には満足している」
「僕は、(水曜日のセッション)最後に旧スペックのエンジンで走るチャンスがあった。違う特性のマシンに乗り換えることになったから、頭を切り替えるのが大変だったよ」
「それでも、今後はうまくやれると思う。3人とも、競争力を発揮できていたのは嬉しいことだね。セパンテストで得たものや試したことには満足しているよ」
17年のMotoGPオフィシャルテスト2回目は、オーストラリアのフィリップ・アイランドで2月15日から3日間行われる。そして開幕前最後の合同テストと第1戦は3月にカタールで行われる。