オーストラリアで開催されたインターコンチネンタルGTチャレンジ開幕戦『リキモリ・バサースト12時間レース』に、ベントレー・ワークスの一員として参戦したオリバー・ジャービスは、新天地でのデビュー戦で表彰台に上がった後、「これまで、こんな“残酷”なレースは見たことがない」と語った。
アウディ・スポーツのドライバーとしてFIA世界耐久選手権(WEC)のシートを失ったのに伴い、今季はイギリスの名門によるGTプログラムに加入したジャービスは、マウント・パノラマ・サーキットで開催された伝統の耐久レースに参戦した。
そのジャービスは、スティーブ・ケイン、ガイ・スミスとともに、Mスポーツがオペレートする17号車ベントレー・コンチネンタルGT3をドライブ。23番手スタートから、着実にポジションアップを果たし、総合3位表彰台を獲得した。
3名は徹底的にトラブルを避ける戦略を選び、特にレース序盤は多くの有力コンテンダーが難コースの餌食となるなか、徐々にポジションアップ。
終盤には地元のヴァージン・オーストラリア・スーパーカー(VASC)の王者で、マウント・パノラマを知り尽くしたシェーン-ヴァン・ギズバーゲンがまさかのクラッシュを喫すると、17号車は総合3位に浮上してフィニッシュラインを通過することに成功した。
「ここは本当に素晴らしい場所だ。それと同時に、僕はこれまでこんなに残酷なレースを見たことがない」とジャービス。
「これまで数多くの耐久レースに参加してきたけど、レース序盤の3~4時間でこんなに大量の“大虐殺”が行われるのは見たことがない。優勝候補のトップドライバーでさえウォールの餌食になったんだ」
チームのレース戦略は「シンプルに、レースのリードラップに留まり続けるというものだった」と明かすジャービスだが、新車特有の問題などに直面したため、トラブルフリーのレースとはならなかった。
「数多くの問題が発生したけど、チームは素晴らしい仕事をした。3位というリザルトはチームメイトやスタッフにとっても大きな成果だ」
かつてベントレーで参戦したル・マン24時間で優勝経験も持つ耐久スペシャリストの“ベントレー・ボーイ”、ガイ・スミスも、優勝した88号車フェラーリ488 GT3には届かなったものの、表彰台という結果は誇りに思うべきだとコメントしている。
「レース中にいくつかの問題を抱えていたが、基本的にリードラップにとどまっていた」
「(優勝するには)ペースが足りなかったけれど、予選後に、もし僕らが決勝で表彰台に上がれると分かっていたら、もっとプッシュできていたかもしれないね(笑)」
「チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、偉大なリザルトをメンバーと喜びたい。かかわった全員に感謝しているよ」